見出し画像

【現役銀行員×中小企業診断士ゆーき】変化に振り回されない!“外部環境調査”でつかむ継続的に利益を生む秘訣【前編】

今回は、ゆーきさんから寄稿いただいた12つ目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。


「あなたも、自社の未来がふと不安になることはありませんか?どうしても環境に振り回されてしまい、先の見通しが立たない…そんな思いを抱いた経験は、ありませんか?」

こんにちは。現役銀行員×中小企業診断士のゆーきです。今回は事業計画書を作る為に必要な「外部環境の調査」についてお話しします。前回のまでの記事をご覧になっていない方は、ぜひこちらのマガジンからチェックしてください。

では、始めていきましょう!
Xでも、私の考えを発信しています。
https://x.com/yuuki_sanbou


導入―まず初めに…

導入―まず初めに…

冒頭の問いかけにドキッとしたあなたは、きっと今、「どうやったらうちの会社を、継続的にもうかる体質に変えられるのだろう?」と悩んでいるのではないでしょうか。実は私も、現役銀行員として、日々さまざまな企業のご相談を受けるなかで「思うように利益が出ない」「将来が漠然と不安だ」という声を何度も耳にしてきました。

そして同時に、中小企業診断士として多くの会社を見てきた経験から、「自社が置かれている外部環境をしっかり理解しているかどうか」が、この不安を払拭するための大きなカギだと確信しています。

本稿では、事業計画書を作るうえで不可欠な「外部環境の調査」について、あなたが学びながらステップを踏めるストーリーをお届けしたいと思います。さらに、ただフレームワークの名前を知るだけではなく、「実際にどうやって自分の会社に当てはめるのか?」という具体的なヒントや、私自身が中小企業診断士として培ってきた実体験も交えながら進めていきます。

外部環境調査について

外部環境調査について

それでは、外部環境調査について4つのポイントに分けてご紹介します。

  1. 「利益を出す×継続性」―土台となる考え方

  2. 「利益を出す」を分解してみる

  3. 自社の財務と外部環境をつなげる

  4. 継続性を見据える―過去から未来を読む視点

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.「利益を出す×継続性」―土台となる考え方

外部環境を分析する前に、まずは大前提として覚えておいてほしいキーワードがあります。

それは「利益を出す×継続性」。
以前の記事でも紹介しています。こちらをご覧ください。

これは、事業を営むうえで“絶対に外せない条件”です。どれほど社会的に意義のあるビジネスであっても、利益が出なければ続けられませんし、一時的に大きな利益が出ても、それが長く続かなければ企業としての存続は危うくなります。

しかし、この「利益を出す×継続性」というシンプルな公式を頭に置いておかないと、外部環境を分析しているうちに、いつのまにか「PEST分析」や「ファイブフォース分析」に振り回されてしまうことがあるのです。たとえば、ひたすら政治・経済・社会・技術などを分析しているうちに、「結局、うちにはどんな影響があるんだっけ?」となってしまうケースが少なくありません。

そこで大切なのが、「何のために分析しているのか?」を常に自分自身に問いかけることです。もしあなたが今、「将来的に安定的な利益を出せる事業計画を作りたい」と思っているなら、「利益を出す×継続性」の視点を持ちながら外部環境を調べる意義は、はっきり見えてくるはずです。

2.「利益を出す」を分解してみる

それではもう少し踏み込んで、「利益を出す」という部分を分解してみましょう。企業の利益は、ざっくり言えば

売上高 - コスト = 利益

という式で表されます。そして売上高は「どの商品やサービスを、どれだけの単価で、どのくらいの数量売ったか?」の積み上げ。コストは「売上に応じて増減する変動費」と「固定的に発生する固定費」に分けられます。
たとえば、ある製造業であれば、

売上高
・A部門の主要製品単価 × 数量
・B部門の主要製品単価 × 数量
コスト
・変動費(鋼材の仕入れ、外注費、消耗品など)
・固定費(人件費、水道光熱費、燃料費など)

このようなイメージになるでしょう。ここでポイントなのは、「自社の中で金額が大きい項目」に注目すること。売上であれば、とくに大きな比率を占める商品やサービスをチェックし、コストでも金額が膨らみやすい上位の項目を洗い出すのです。

実は、この段階で「どこに焦点を当てればいいのか」が明確になります。もしあなたが自社の会計データや決算書を見たときに、「あの部門の売上が落ちている」「鋼材のコストが大きく増えている」「人件費が急に上がっている」などの事実があれば、そこをもう一度深堀りしてみてください。

  • 売上が減少している → 市場が縮小していないか?

  • 材料費が上がっている → 原料の世界的な価格変動の影響は?

  • 人件費が増えている → 採用コストの上昇は?あるいは残業代の増加?

こうした問いかけをすると、「どうしてこの部分を調べる必要があるのか?」がスッと腑に落ちるようになります。

3.自社の財務と外部環境をつなげる

ここまできたら、次のステップとして「自社の財務状況と外部環境の変化をセットで考える」という発想を取り入れます。たとえば先ほどの例で、「A部門の主要製品の売上が落ちている…では、その市場全体はどうなっているのか?」と外部環境を合わせて見ます。

  • ある市場調査を見たら、ここ数年で同じタイプの製品の需要が縮小している傾向があった

  • それに伴い、競合他社も新規事業にシフトしているようだ

このように事実をつかめば、「なぜ売上が下がったのか」がよりはっきりします。そこには必ず理由があるのです。同様に、鋼材の価格が高騰しているのであれば、世界的な需要と供給の変化が原因かもしれませんし、為替の影響もあるかもしれない。あるいは特定国の情勢変化が引き金かもしれません。

「外部環境の調査」と聞くと難しく思えますが、要はこのように「自社の数字の変化に影響を与えていそうな外部要因を拾い上げること」が大切なのです。これが「何のためにこの分析をしているのか?」の答えであり、さらに「どうやって次のアクションを考えるのか?」にもつながります。

4.継続性を見据える―過去から未来を読む視点

企業が成長するためには、一時的な売上アップだけでなく、将来的にも安定して利益を出し続けることが求められます。そこで意識したいのが、「過去からの推移」と「未来の予測」です。たとえば「A部門の市場が縮小している」という事実があるなら、

  • 過去5年でどれくらい縮小してきたのか?

  • これから先、さらに縮小しそうなのか、それとも別の要因で回復に転じるか?

をできる限り把握しましょう。情報源は統計データや業界レポートなど、さまざまあります。後ほど詳しくご紹介しますが、まずは「過去と未来をセットで見よう」という意識が大事です。

これを「継続性」というキーワードと結びつけて考えると、事業計画に説得力が出ます。「今後どうなるかわからないけれど、まあ何とかなるだろう」では、説得力に欠けてしまいます。そうではなく、「市場が毎年2%ずつ縮小しているデータがあり、このままだと5年後には10%近い落ち込みが予想される。この状況を踏まえて、私たちは○○という施策を打ちたい」といった具体的な未来予測を入れることで、事業計画書としても筋が通っていくわけです。

中間のまとめ

中間のまとめ

外部環境の調査についても長くなりそうなので、一旦ここまでのポイントをまとめましょう。

  • 「利益を出す×継続性」を軸にする
    何のために外部環境を調べるのかを明確に持つと、情報収集に迷いがなくなります。

  • 「利益を出す」を具体的に分解する
    売上とコストの中で自社の重要項目を洗い出せば、どこを重点的に調べるべきかが見えます。

  • 自社の財務と外部環境をセットで見る
    なぜ売上が下がっているのか、なぜコストが増えているのかを、外部要因から考察します。

  • 継続性=過去から未来への視点を持つ
    数年先を見越して、事業継続が可能かどうかをチェックしましょう。具体的なデータで説得力が増します。

事業計画を作るうえで、この「外部環境の調査」を怠ると、大海原を地図なしで航海するようなものになりかねません。ときには嵐に遭い、座礁の危機に瀕するでしょう。でも、事前に地図を用意し、海の状態を把握しておけば、嵐を避けるルートや万一の回避策を考えられるはずです。

エピローグ―次回に向けて

エピローグ―次回に向けて

ここまで外部環境を調べるうえでの考え方を見てきました。次回は、実際にどう調べるのか?に焦点を当てます。わかりやすく解説しますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

ここまで読んでくれたあなたに…

ここまで読んでくれてありがとうございます。もう一歩踏み出してみませんか?決算書や財務数値から、利益を分解して、重点的に把握したい数値を3つ決めてください。例えば、「売上高」「材料費の鋼材」「人件費の社会保険料」。このように、最優先で確認すべき3つに絞っておくと、次回以降外部環境を調べる視点がグッと定まると思います。

まずは一歩踏み出してみましょう。そうして得た新しい視点が、必ず「継続的に儲かる」未来を切り拓く手助けになるはずです。次の記事を読み終える頃には、あなたの事業計画書の外部環境が、自社にどれくらい影響を与えるか見たくなるはずです。ぜひ次のステップへ一緒に進んでいきましょう。

XのフォローやDMでのご相談もお待ちしております。
https://x.com/yuuki_sanbou


私、谷本もXで日々発信を行っています。
ぜひnote、Xについて今後もフォローをお願いします。
https://x.com/arriba0519

相談に関する質問については、以下の記事でお答えしています。

お問い合わせは、DMもしくは問い合わせフォームからお願い致します。

※氏名・社名・業種・Facebook URL・メールアドレスなどを添えてお問い合わせください。

主に銀行融資関係(資金調達)のコンサルを行っています。

資金調達が出来た際の成功報酬は基本的に頂いておりません
理由としては・・・
・1度融資を利用する企業は、その後、2回目、3回目と利用があります。
・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
このすり合わせとは、紙面による数字との睨み合いに留まりません。企業における営業活動など、包括的に関わっております。
これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

お客様によりますが、御社での私の名刺を作ってもらい、銀行対応全般をお任せ頂いております。
銀行対応において、代表者や責任者の方にご同席頂くのは、基本的に初面談時と契約時のみです。
融資実行までの中間の交渉は、全て私がお引き受けします。
(金融機関や個別対応でお受けできない場合もあります。)
CFO的な立ち位置で長きに渡りお役に立てればと思います。
創業融資のお問い合わせも多く頂いております。(R3年実績30社程度)

創業計画書の書き方にお悩みではないでしょうか?
大口の資金調達のコーディネートも行います。
これから事業が大きく成長する中で、どのように銀行と付き合おっていくべきかお悩みではないでしょうか?
収益物件購入、不動産業者、保険営業マンからのご相談もあります。

ご自身では分からない銀行のこと、たくさんあります。
銀行内には独自のルールや文化が満ちあふれています。

現在、お付き合いを頂いている企業は東京が主ですが、リモート対応も可能です。場合によっては出張も致します。

事業を頑張る経営者の皆さまのお役に立てる記事をこれから書いていきたいと思っております。
初回30分無料相談もお受けしています。

いいなと思ったら応援しよう!