好業績!その1期の決算書の信憑性は銀行にとっては半分の評価である。
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
よし!良い決算書が出たぞ!
思い切り融資を引っ張ろう!!
そう思い立った社長が自信を持って銀行を訪問。
数日後、提案された融資を聞いて社長がひと言。
「え、少なくない?もっと借りられないの?」
今日は、この現象についてお話をしていこうと思います。
融資や返済にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
融資に関する相談は、問い合わせフォームやFacebookのDMなどから受け付けています。
銀行の融資への考え方
まずは、銀行がどのようにして融資を検討しているのか、基本的な考えなどを紹介していきます。
銀行は過去3期をベースに融資を検討する
まず、銀行が前期の決算書をベースに審査しているのは間違いありません。
しかし、1期だけを見て融資を検討しているのではなく、過去3期をベースに最高5年間分の決算書を見て審査をしています。
そのため、1期だけの結果で信用を勝ち取ることは難しいのが現実です。
5期目を経過すると一般的な企業の仲間入り
銀行にもよりますが、創業して5年が経過すると支店内の与信額が大きくなるところもあります。
銀行内の仕組み上、5期経過していない企業についてはどうしても融資が行いにくい状況になっているのです。
融資を受ける際の3つのポイント
融資を受ける際にチェックしたいポイントは、以下の3つです。
その会社の「経過期数」
「純資産」を「経過期数」で割る
その金額を直近3期分のPLと比較
順を追って、それぞれ解説します。
①その会社の「経過期数」
まず、大切になるのが会社の「経過期数」です。
創業して何年経過しているかによって、信頼度などが大きく変わります。
②「純資産」を「経過期数」で割る
次に、「純資産」を「経過期数」で割ってみましょう。
貸借対照表の純資産の合計金額を経過期数で割ると、1年あたりの利益額がわかります。
直近で急成長をしているのか、それとも着実に利益を積み上げてきたものなのか把握できるはずです。
③その金額を直近3期分のPLと比較
最後に、②で出した金額をその金額を直近3期分のPLと比較しましょう。
その企業の「稼ぐ力」は継続性があるのか、一過性なのか確認します。
例えば、創業10年目の企業の自己資本が1億円の場合、
【1億円÷10年=年間1,000万円】という具合です。
この作業を基本的には銀行担当者はみんなやっているはずです。
たまたま1期だけ良くても、思っているような融資金額が出なかった理由はこういうところにもあるかもしれません。
決算書にお悩みの方はぜひ相談を
社長が思っているよりも、色々な角度で銀行は決算書を見ています。
また、気づいたことを普段の社長との会話の中で確認をしているのです。
ときどき社長から「何でこんなこと担当者の〇〇さんは聞いたのかな?」と質問を受けます。それは、まさに決算書や商流など気になったポイントを質問しているのです。
私たちであればその質問の意図が何なのか、銀行としてどこを気にしているのか?判断がつきます。
気になることがありましたらぜひご相談下さい。
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