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ここは地獄か天国か | 湯けむり漂うイエローストーン
8月上旬。
訪れたのは、ワイオミング州にあるイエローストーン国立公園。
正確にはワイオミング州の端にあるため、モンタナ州とアイダホ州にまたがる。
隣接するグランドティトン国立公園と合わせると、東京都ほどの広さとなるそうだ。
世界初の国立公園であり、世界遺産でもある。
そして何よりアメリカで最も人気のある国立公園でもある。
私たちにとっても、国立公園めぐりのハイライトと言っても過言ではない。
今回はモンタナ州ボーズマン空港でレンタカーを借り国立公園外のAirbnbを利用する3泊4日の旅。
自然の中を走るには少々心許ないコンパクトカーで出発だ。
色とりどりのホットスプリングス
様々な野生動物が見られるイエローストーンの魅力は、なんと言っても特徴的な温泉、間欠泉の数々だ。
単に温泉がわいているのではない、見どころは色とりどりの温泉が散在していることだ。そこかしこで、ポコポコ、いや、ボッコボッコ湧いている。
それもそのはず、地球上にある温泉の半分はここイエローストーンにあるという。
地球の情熱が噴き出す場所、ということか。
ここが日本だったら、間違いなく大温泉街ができるはずだ。
あまりにカラフルなそれらは、さながら別府の地獄めぐり。
イエローストーンで地獄めぐり、かぁ。
いや、このカラフルな色合いは天国めぐりだよなぁ。
それにしても、日本人にとってなぜ温泉は地獄なのだろう。
別府も地獄。登別も地獄。そして鬼がいる。
湯につかれば、極楽極楽と言うのにね・・・
あぁ、湯に浸かりたい・・・
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温度の違いが微生物に影響し、色彩が異なっている
少し山を登った場所から全体を見渡す
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実はこの時天気の急変によりとんでもない雨と強風に煽られている
そして湯気に襲われる
自然だって時に気ままで、時に律儀だったりする
こんなにも美しいホットスプリングスの数々だが、少し前にその一つが大爆発を起こしてニュースになっていたばかりだ。
私たちが訪れたときは、封鎖されていたため近づくこともできない状態だった。
いくつもある間欠泉は、数分ごとに噴き出すものもあれば、数時間ごとに噴出するもの、数日ごと、そして数ヶ月に一度ものもある。
そして静かに気泡を吐き出すだけのものでさえ、いつ爆発するかはわからない、ということか。
改めて地球の内側からフツフツと湧き出すエネルギーを感じる。
人のコロコロも一緒だね、なんてふと思う。
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30 - 50メートルの高さに
最大5分ほどにわたり噴き出す
時間通りに噴出する間欠泉には忠実・誠実の意味であるフェイスフル(faithful)の名がついている。
本当に律儀に90分ごとに噴出するため、大勢の観光客が信頼して待機していた。
そしてほぼ予定時刻通り噴出。
まるで日本の電車のようだ。
これ以外の場所でも1日に数回噴出するものはあったが、これほど時間に正確なわけではないということで、私たちはこのオールドフェイスフルだけの鑑賞にとどまった。
中にはのんびり数時間単位で腰を据え、いつ噴出するともわからない間欠泉の前で待機している人の姿もあった。
待ちたい人は待てばいいし、待てない人は待たなくてもいい。
最近は、機会にめぐりあうのも巡り合わないのも縁のうちという感覚が強い。
ここまで来たらどうしたって見たい、という強い気持ちに動かされることもあるが、見れないならそれも仕方ないか、見れたらそれはとてもラッキーだけれど、と思うことが増えた。
時にはそういう自分のちょっとしたアイデンティティクライシス的なものに戸惑いを感じる事もある。
どっちでもいい、なるようになる、と思うことと、きちんと決めておくべきだ、きちんとしておきたいという自分。
上手に折り合いをつけられるようになった事も多いが、まだまだ青臭い感情が暴れ出す事もある。
この年で何を言っているんだかと感じるが、いくつになったって環境や経験が変われば全く異なるキャラクターが登場するものだ。
これが確固たる私ですと言えるものなんてまだまだなさそうだ。
まぁ、まだまだ私はオールドなフェイスフル人間寄りかな。
気ままな間欠泉を眺めながら、そんなことを思うのだった。