読んでない本でも香りが作れる理由
連休の後半2日間、文學アロマセラピートライアルセッション開催しました!
1日目はやや風強めでしたが、お日さま射すベランダで。
2日目はかなりの強風となり室内に避難。
開催中の写真展miyuki horinoさんの「North of Denmark」の静寂漂う美しい写真と本たちに囲まれ、これもまた素敵な空間でセッションをさせていただきました。
この文學アロマセラピートライアルセッションは大切な1冊の香りを作るものということで、
「(アロマ書房が)読んでない本でも香りが作れるのですか?」
というご質問をよくいただきます。
もちろん作れます!なぜなら、
お客様が語る本についてのお話が、私にとっての「物語」だからです
かりに、私も読んだことがある作品でも、感じる世界観、好きなシーン、浮かんだイメージなどはそれぞれ異なるので、生まれる香りはまったく違ったものになるという面白さ。
私がやることは、語られた言葉と精油がもつ個性をつなげ、香りという器におさめること。
実は、精油ひとつひとつにも生まれや育ち、得意なこと、文化や歴史での姿といったストーリーがあるのです。
物語と香りが出会い、化学反応をおこす様は、まるで人と人が出会うときのよう。
世界がひろがり、驚きや新しいものに出会ったときの感動がうまれる、そんな体験と同じなのです。
そして、今回のようなイベントでよくおこるシンクロニシティについて。
この日この時に偶然集まった人たちが、まったく違う作品から、同じテーマについて語り、同じ香りを好むという不思議。
読書は「物語とわたし」という個人的な作業で、他者が入り込めないある種の孤独があります。
ですが、私たちは、見えないものが見えるレンズでのぞいてみると、つながってたり、部分的に溶け合っていたりしているのかもしれない。
孤独、でもなんか温かい
読むアロマ案内人のわたしも、みなさんと一緒に言葉と香りに導かれています。