⑪映画『落下の解剖学』と事実と真実
かれこれ30年来のつきあいになる友人と久しぶりに日比谷で映画を観てきました。
『落下の解剖学』
思えば初めて一緒に行った映画は、日比谷シャンテで上映されていた『ベルリン天使の詩』でした。
感受性ゆたかな彼女はとてもとても感動していたのだけれど、情感や機微に疎かった私は見事にぽか~ん(笑)
その時のことは今でも笑い話で、『ベルリン天使の詩』は、私的にぜひともリベンジしたい作品のひとつなのです(笑)
思い出話ついでの余談ですが、昔「有明にテニス観戦に行った」という話に。
「雨で試合再開を待ってる間にエドバーグがふらっとロビーに出てきて大騒ぎになったよね」とわたし。
「始業式をサボって観に行ったよね」と友人。
お互いに「えーーーっ?!そうだっけ??」と、同じ出来事について覚えてることが全然違うという、ある意味映画へつながるいい感じの流れもありまして。
物語を通して感じたのは「真実」と「事実」について。
例え事実はひとつでも、それぞれの真実が存在し、ヒトは自分が見たいようにしか見ることができない。
だからこそ、違う視点、価値観といった多様な世界の見方を持つことは自身の幸せ、生きやすさのためにとても大切なんだなあと思ったのでした。
主演のサンドラ・ヒューラーの存在感や脚本の緻密さもさることながら、息子役のミロ・マシャド・グラネールと、パルムドッグ賞!を受賞した愛犬スヌープがすばらしいのです!
「あれってどういう意味だったのかな?」「あのシーンって・・・」etc
あとからくるジワジワを楽しめる作品です。