NFTの世界の男女比は??白熱する「ジェンダー問題」 Part1
こんにちはNFTキュレーターの楠です。
ちなみに私は女性です。(←今日の話に必要な情報かな?と思ったので)
今日の写真(↑)は、NFT彫刻家のHermine Bourdinと
デジタルアーティストKrista Kimのコラボ作品です!
世界を知りたければジェンダー問題は知っておいた方がよい!
最近フランスで話題になっている「Web3女性問題」
世界の潮流を知る上でも参考になると思うので
お話ししたいと思います。
女性問題と言っても、不倫スキャンダルとかではないです😅
ジェンダーの話ですね。
まず、Web3の世界では
#Womeninweb3 というハッシュタグで
女性による発信が増えています。
私の印象ですが、ヨーロッパやアメリカでそれが顕著です。
文系頭の私は、Web3の世界はTech系で
コードもわからないし
どんなしくみでコントラクトが成立しているのかもわかりません。
でも、NFTは楽しいし、好きなんです。
iPhoneが機能するしくみはさっぱりでも、使いこなしているのと同じ。
知らなくたって楽しめますよね!
もちろん、コードもコントラクトもiPhoneのしくみも
女性でわかっている人はたくさんいると思います。
ですが、多分比率を出すと、男性>女性なんじゃないかなーと思います。
だからWeb3の話が男性中心に進んでしまうのは仕方がないとしても
わかっている女性からは「対等に話してよね」と思うでしょうね。
というか、失礼ですよね。(悪意がないにしても)
「女性もいるよー」「ちゃんと評価してねー」という声として
社会全体の(少なくともフランス社会での)
ダイバーシティ&インクルージョンの流れに則って
#Womeninweb3 の存在がどんどん大きくなっているんですね。
すごいカタログが無料配布された!
このたび、フランスでGxrls Revolutionさんが
274ページにも渡るカタログを無料配布しました。
“100 Womxn Artists To Follow In The NFT Space.”というタイトル。
これは、5名の女性キュレーターが
女性のNFTアーティストを100人紹介しているもの。
前半は、フランスのWeb3やNFTの業界にいかに女性が少ないか
というデータが満載です。
無料でダウンロードできますので
英語(フランス語もある)が読める方はぜひ登録して欲しいです!
何が書いてあるの?
このカタログ、コツコツと読んでいるところです。
すごいハッとさせられることばかりで、興奮していしまいます。
目次を日本語訳してみましょうか。
▶︎革命はどこから始まる?
▶︎2022 年になっても、女性アーティストだけのカタログが必要なのか?
▶︎Web3でのジェンダーの行方は?
▶︎Web3でも美術史と同じエラーをおかすのか?
▶︎web3 で信用を得るために帽子をかぶるべき?
▶︎Gxrls レボリューションってなあに?: ミッション
▶︎キュレーター: 5名の紹介
▶︎調査: web3 の女性はどこにいるの?
▶︎web3に女性アーティストが少ないのはなぜ?
▶︎NFTとパリテ 私たちにはまだやることがある!
▶︎自分の限界を知ろう!
▶︎女性アーティストのNFTへの歴史的貢献
▶︎NFTで女性アーティストを見つける方法は?
▶︎NFTってなあに?
▶︎ガイド: NFT の購入方法
▶︎コレクターからのアドバイス
▶︎Annelise Sternのキュレーション
▶︎JessyJeanne のキュレーション
▶︎Joséphine Louisのキュレーション
▶︎Léa Duhemのキュレーション
▶︎Marie-Odile Falaisのキュレーション
▶︎用語集
どうですか?すっごい盛り沢山ですよね♡
読み応えあります!!
途中まで読んだところで、思うことを書いてみます。
Web3でも美術史と同じエラーをおかすのか?
個人的には、ここが非常に興味深い指摘でした。
Web3とファインアート(狭い意味での美術)は比較しにくいですが
NFTアートとファインアートと言ったら、わかりやすいかと思います。
まず確認しておきたいのが、NFTアートの特徴。
フランスなので、彼女たちがセレクトしている作品はPFPではなく
現代アート系の作品です。
そう、男性が比較的多いWeb3のNFTであると同時に
男性がずっと中心にいたアートの話でもあるんですね。
NFT、Web3は長く見積もってもここ10年くらいの話だと思いますが
アートになってくると、有史以前からありますし
歴史はホント4000年くらいあるのでは。
現代アートのジャンルに限定しても、ジェンダー問題が本格的に
取り上げられたのは1990年あたりからかなーと思います。
美術史年表を開いてみて、載っているアーティスト名を調べたら
多分95%が男性だと思います。(いや、20世紀までなら99%かも)
アートの世界って、ホントに男性社会でした(←希望を込めて過去形)。
ちなみに私は美大の芸術学科卒(アートプロデュース側の学科)。
生徒20名のうち、男性は4名であと全員女性でした。
なのに当時は、その学校に女性の教授は一人もいなかったのです。
(当時「女性は教授になれない」という言葉を何度も聞いています)
最も保守的な大学でしたねー。(今は女性教授もいらっしゃいます)
女性生徒80%に対して、教える側は0%。
完全に男社会。歪んでます!
美術館でも、女性学芸員は多いけれど
トップが女性の美術館は非常に少なくて
最近それがやっと問題視され始めましたね。
1989年、ゲリラ・ガールズ(覆面女性アーティスト集団)が
「展示された女性アーティストは3%、ヌードの女性像は83%」
というポスターを美術館などに貼るパフォーマンスをしています。
象徴的ですよね。
そんな背景もあり、日本なんかに比べますと
ジェンダー問題に真剣に取り組んだフランスやアメリカでは
女性のトップがいても驚かないくらい一般化しました。
それでも「まだまだ認められていない!」という声は強いのです。
そして、このアートの「過ち」を、またNFTでもやるんですか?
と、彼女たちは訴えるんですねー。
どう思われますか?
彼女たちの狙いは?
NFTだから、WEB3だから、アートだからに関わらず
男性であっても、女性であっても
その個人の能力が評価され、お仕事ができる社会がいいなと思います。
ジェンダーバイアスは必要ない!
ちなみに、Gxrls Revolutionさんもまったく同じ意見です。
そもそも「女性アーティスト」をわざわざ集めるなんてナンセンス
と、作った彼女たちが言っています。
でも現状、そこに気がつきもしない、女性アーティストの情報が少ない
だから男性社会になりつつあるWeb3業界に一石を投じたいのです。
彼女たちの希望は、「女性アーティストカタログ」なんていうものが
前時代的なものとして扱われるような(もう必要ない)社会の実現。
最終目標は、その作品が素晴らしい、ということで評価される社会ですね。
実際、それができていないから立ち上がっているのです。
それについては、この本の中でたくさんのデータと共に展開されています。
次回、興味深いデータなども含めてまたお話したいと思います!
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