精油

「よい精油」の選び方

アロマを使うにあたって、どこの精油=エッセンシャルオイル(アロマのこと)がいいですか?

と聞かれることがあります。

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最低条件としては、100%天然でピュアの「本物」の精油です。

「本物」というのは質が良いという前に、人工的に作られた合成香料や合成香料が混ぜられていない純粋な精油という意味です。

合成香料のフレグランスオイルには、香りが強く長持ちするメリットがあり、

決してアロマに対して劣るというものではありません。

ずっと香りを香らせておきたいアロマストーンに混ぜて作ると、

アロマを垂らさなくても、香りのするストーンが作れます。

しかし、「アロマテラピー」をする上では、「本物」にこだわりたいです。

なぜ、天然の精油を使ったアロマテラピーにが良いのかというと、

植物が生きるために作り出した「作用」を利用できるからです。

いい香りでリラックスできる、虫よけになる、で有名なアロマですが、

これらは植物が生きるために創り出した作用です。

たとえいい香りでも、こういった作用は合成香料にはありません。

香りがいいだけではない!のがアロマのすごいところなので、

その作用を利用できないのだとしたら、とてももったいないなと思います。


次に、質のよいという意味での「よい精油」について考えてみます。

「○○というメーカーはフランスで医療グレードの精油」

メーカーやブランド、

「△△社のものがオーガニックで最高品質の精油」

という文言で選ぶ方もいるかと思います。

しかし、それが本当に良いものかどうか、あなたは確かめられますか。

食品の偽造の時、肉のパックに貼られた「国産」や「消費期限」などの文字に頼るだけでしたら、自分の身は守れなかったはずです。

そこで、すこしだけ「賢いアロマの消費者」になるコツをお教えします。


①アロマ専門店がお近くにあればそこで買うのが一番です。

店員さんに色々と相談し、信頼のおける方から買うのが一番です。

ですが、お近くにはない、もしくは雑貨屋さんに置いてあるものはどうなの?ということもあると思います。

②最低限、遮光のビンに入っているものを選びましょう。


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精油はプラステックを溶かしてしまうので、プラステック容器にはいっているものはだんだん溶けてきます。

また、陽の光によっても劣化するので、遮光のビンが望ましいです。

③次に、精油ビンのラベルを見てみましょう。

「AEAJ表示基準適合認定精油」という文字があるものは、

審査の上、AEAJ表示基準適合認定精油として認められた精油です。

ラベル部分や使用説明書に必ず精油製品情報の8項目と4つの使用上の注意事項が記されています。

詳しくはこちらへ https://www.aromakankyo.or.jp/aeaj/activity/oil/ 


これは精油の「質」について審査されたものではありませんが、

精油製品情報の中で「抽出部位」や「生産国」などの情報は、

中身の品質に関わる情報ですので、表示するにはそれにも気にする必要が出てきます。

例えば、みかんで例えますと、「産地が静岡」のみかんの方がみかんの気候にあっていて有名な産地で、「産地が新潟」のみかんよりも美味しそうですよね。

アロマ市場には「AEAJ表示基準適合認定精油」が増えてきていますが、

その表示基準を取っていないからといって、必ずしも質の悪いものとも限りません。

特に最近増えている和精油(国産の精油)のビンをみていて思うのですが、

和精油の生産者は「アロマのプロ」ではない方がほとんどです。

みかんを収穫し、形のきれいなものは果物として、

悪いものはジュースにし、

残った果皮から精油を作られていることが多いからです。

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④最後に、私が「よい精油」を選ぶのに一番のポイントだと思っているのですが、

あなたの「鼻を信じる」ことです。

精油売り場のテスターをかいでみてください。

変な感じだったら止めておきましょう。(笑)

香りの変化に無頓着なお店では古い精油が売られている可能性があります。

いつも嗅ぐようなラベンダーやオレンジを嗅いでみるのがオススメです。

また、アロマに触れあい続けていると、「質のよいアロマの香り」がだんだんとわかってきます。

そして、それらと比べてどうか、と判断ができるようになります。

スーパーに頻繁にいくようになると、

とげとげしたきゅうりが新鮮の証、

新鮮なさんまは背の青が美しい、お肉の新鮮な色などがわかるかと思います。

それと同じなんですね!


(用途に応じた「よい精油」とは)

上記とはまた別の観点で、どう使うのか、用途に応じて考えると、

「よい精油」の定義もまた変わってくるかと思います。

どんな時も、オーガニックで最高級のものを使えればよいのですが、

例えば、アロマワックスケーキを作るにはミツロウの量に対して5%程度の精油を入れているため、

小さな小瓶の精油でしたら、ひとビン必要になります。

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(アロマワックスケーキ™)

その精油が1つ3千円したら。。。。

アロマワックスケーキの精油代だけで3千円になってしまいます。

もし販売用に作っていたら。。。一体これをいくらで売ったらいいのか困りますね。

またおうちや店舗で一日8時間ぐらい精油をたくとしたら。。。

1か月にどれほどの精油が必要でしょうか。

そういった芳香浴用には、芳香浴用のお手頃な精油が「よい精油」

オーガニックの方が香りが良いかもしれませんが、

身体に直接塗布するものではありません。

多少古くなってしまったものでも、香りを楽しむだけのものでしたら、

あまり影響はありません。(もちろん香りは本来のものより劣ります。)


それに対して、アロマコスメやアロマトリートメントに使う精油は、

肌に直接塗布するため、酸化・劣化していないオーガニックのものにこだわりたいですね。

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これともまた違うのがアロマスプレーやアロマ香水など香りを創るのに使う場合です。

身体への刺激を考えその濃度に注意するとともに(刺激性)、

香りがもっともよい状態のものを使うのが好ましいです。

教科書や書籍には、精油は製造されてから2年以内に使用するようにとあります。

しかし、パチュリのように、2年以上たって、熟成されてからの方が良い香りになるものもあります。


あなたは今、何をするのに「精油」を買おうと思っていますか。

「○○メーカーのもの」というひとつの物差しだけではもったいないかもしれません。

その用途に応じて、適切なものを選ぶ知識と「鼻」を身につけていきたいですね。


(参考までに:私の使用している精油たち)

・生活の木

・フレーバーライフ

・PRIMAVERA

・Florihana

・グリーンフラスコ

・Moon Leaf

・Aroma of Australia

・NIKKA

・Aromas DO VALADO

これらの精油メーカーさんをオススメするわけではなく、

私の香りの好みや手に入りやすさなどから使用している精油です。


イベントなどでたくさんのアロマのメーカー様が一堂に会するときがありますので、

そのような時に積極的にお出かけし、好みの精油はないか、嗅ぎ比べてみてくださいね。

試しにひとつの精油を決めて、ブースを回ってみますと、

同じ植物の精油でもこんなに香りが違うの!?と驚くものもありますよ。


あなたにとっての「よい精油」を探してみてくださいね。


2018.9.27 

AEAJ認定アロマテラピーインストラクター、アロマブレンドデザイナー

片見 真希

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