医療現場にアロマが必要だと感じたエピソード
看護師アロマセラピストのハルです。
コロナ前、私は緩和ケア病棟に月1回アロマボランティアに行っていました。
ボランティア活動の中での忘れられない体験があります。
患者様の簡単な病名やADLの情報を得て、ご家族が数日付き添っているということで、ご家族へのトリートメントを看護師さんよりご依頼いただきました。
病室に入り、説明をした上で付き添っているご家族へハンドトリートメントを行いました。
トリートメント中、ご家族より
「以前妻がアロマをしてもらってすごく喜んでいました」と話してくださいました。
ご家族のトリートメントを終え、「よかったら奥様にトリートメントをさせてもらえませんか」と伺うと、快諾していただきました。
患者様は酸素飽和度の機械や、心電図、血圧計、点滴、酸素マスクも行っている状況だったので、フットトリートメントを選択
「アロマ好きなんですね。嬉しいです。」などとご本人に声をかけながら、トリートメントを行いました。
発語はなく、目も閉じていらっしゃいました。
トリートメント終盤、ふと顔を見ると目から一筋の涙が。
「あ。」とご家族も気づかれていました。
トリートメントを終え、涙を拭い、ご本人やご家族へ感謝を伝えて退出しました。
その約30分後、看護師さんから声をかけられ
「先ほどアロマトリートメントをしていただいた患者様が亡くなられました。ご家族も本当に感謝していました。ありがとうございました。」
私はとても貴重な時間を共有させてもらいました。
そして、
意識レベルが下がっても、声や想いは届いている。
そう確信しました。
医療の現場では薬では施しようのない場面があります。
そんな時にこの体験を思い出すと、看護師として、アロマセラピストとしてできることはあるはずと感じます。
ボランティアの経験を得て、今私は介護施設でアロマセラピーを行っています。
これからも地道にコツコツと活動を続けていきたいと思います。