色々な物を飲んでほしいという親の願いに対してどのように対応していくか
放デイを利用している中学生のお子さんで、毎日水を飲んでいる子がいます。
他にもお茶やポカリを提供しているのですが、本人より「水」という要求があるため、いつもおやつの時間に提供しています。
我々としては、水が飲めるだけで十分であると考えます。そもそも、水が飲めるのであれば、他のものを無理して飲む必要があるのかなと感じています。
だって、水って水道代だけで済みますが、お茶やポカリはその元となるものをスーパーで買わないといけませんよね。
であれば、お水をいつも好んで飲むというのは、言い方は良くないですが、コスパの良いお子さんではないのかなと感じます。
では、保護者さんの考えはどうでしょうか?
保護者さんとしては、将来のサービス先を見据えて、お水やポカリだけでなく、お茶(ここでは麦茶のこと)も飲めるようになってほしいという願いが強くあるようです。
ではこの時にどのように返答をしていったでしょうか。
私は最初に、お水を飲めること自体が十分であり、特性のあるお子さんによっては、水分も取りたがらない子もいるので、すごく本人さんは素晴らしいと思いますよ。また、水はいつでも手軽に飲めるので、むしろ水が飲めるようになれば水分補給には困らないですよね。と言ってみました。しかしお茶を飲んでもらいたい。という思いの返答がある。
アドバイスをして、考えが変わらない様子だったので、相手の話を受容する
方向性に切り替えました。そして、私の考えと、保護者さんの考えを双方が納得しやすい方向としては、
話の途中でご飯のおかずについてもたくさん食べてほしいとの脱線をしており、やはりハードルを高くみており、本人さんが知らない間にストレスを溜めてしまう可能性があるため、まずはお茶のことに焦点を当てて、飲むための状況・環境を作って様子をみていくことを提案している。
つまりは、最初からお茶を出して、今日はこれしかない、水も水道が壊れ、ポカリもないし、カルピスもない。だからお茶だけを飲んでもらいたい、というのを本人に伝え、目の前にお茶を出す。という流れです。
実はこれも一つの構造化になります。たくさんのものが目の前にある状態で、親がこれを選びなさい、、、と言われても、視覚的に優位な自閉症のお子さんは、素直に親が指定した物を選択できるのでしょうか?
おそらく、過去に経験のあるものや、興味関心が強いものなど、他者の話から選択するよりは、本人自身の状態から選択してしまうでしょう。
今回も一緒であり、いろいろな飲み物が目の前にある状態で、親が勧めるものを飲んでもらうというのは難しい場合があります。ですので、わかりやすくするため、「あなたは今はこれを飲みます」という教え方をするため、目の前には、目的のものだけを提示していきます。
これも一つの方法となります。
さあ、結果はどうなったでしょうか?
というのは、私も今の時点では知りません。
さあ、あとはご自宅での保護者さんの支援次第になります。職員は話を聞くことと、アドバイスを出すことしかできません。最終的には保護者さんの判断に委ねられるのです。放デイの職員は静かに時が来るのを待ちます。
では。
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