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どっちが正しい?精油のケモタイプ

アロマテラピーの勉強を始めると目にする「ケモタイプ」という言葉。

協会によって、ケモタイプとはなんぞやの説明が違うこともあり、どっちが正しいんだ!と迷う方も少なくないのではなかろうかと。


結論から言っちゃいます。

広い意味でのケモタイプ。
狭い意味でのケモタイプ。

考え方がふたつあって、こっちが正しくてあっちが間違えってことじゃないと思っておくといい。


狭い意味でのケモタイプは、
学名が同じ(●●科、■■属、▲▲種が一緒ということ)だけど、生育環境によって含有成分に大きな違いがある(特徴成分が異なる)精油ということ

動物も植物も一定の規則に従って分類されていて、世界共通認識のお名前がついていて、これを学名っていいます。

学名が同じ=同じ種類の生物(動物・植物)ということです。

原料となる植物が同じ(学名が同じ)なら、採れる精油の成分構成は基本同じはず。

だけど、生育環境によって含有成分に大きな違いがある(特徴成分が異なる)精油が採れるケースがあるんですね。

代表的なのがローズマリー。

ローズマリーは、シソ科 Rosmarinus属 officinalis種 の植物。

でも、生育地によって、得られた精油の含有成分に大きな違いがあります。

ケトン類のベルベノンが含まれる、ローズマリー・ベルベノン
酸化物類の1,8-シネオールが多い、ローズマリー・シネオール
ケトン類のカンファーが多い、ローズマリー・カンファー

「ローズマリーには、ベルベノン、シネオール、カンファーというケモタイプがある。」

「タイムには、チモール、ツヤノール、リナロール、ゲラニオールというケモタイプがある。」

狭い意味でのケモタイプという考え方を採用している場合、こういう表現になります。

この苗を植えたらベルベノン、こっちの苗ならシネオールってことじゃないんですね。

種(苗?)は一緒、でも育つ環境によって性格が変わります…みたいな?


一方で広い意味でのケモタイプは、
抽出ごとに成分分析して、これにはこの成分がこれくらい入ってますよとチェックする作業が行われた精油ということ

たとえば、ユーカリ精油。

ユーカリ・ラディアタは、フトモモ科 Eucalyptus属 radiata種 という植物
ユーカリ・レモンは、フトモモ科 Eucalyptus属 citriodora種 という植物

フトモモ科、Eucalyptus属までは同じだけど、種が違う。

この場合、植物として別物ということになり、狭い意味でのケモタイプにはなりえない。


分類学上、別の植物となるユーカリ・ラディアタさんとユーカリ・レモンさんだけど、抽出ごとに成分分析をして、これにはこの成分がこれくらい入ってますよというチェックをする作業をしていたら、広い意味でのケモタイプということになる。

「このメーカーの精油はケモタイプ化されてるんだよ。」

広い意味でのケモタイプという考え方を採用していると、こういう言い方になるってことです。

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