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カルシウムは体に究極に必要


カルシウムとは


カルシウムは、骨や歯の材料である。そう思ってはいませんか?実はそれだけではありません。カルシウムはすべての生命活動の中心的役割を果たしているミネラルなのです。

体内で重要な働きをするカルシウムは、骨にしっかり貯蔵されています。そして例えカルシウムを長い間食べなかったとしても、骨を溶かしてまでも濃度を保とうとするシステムが出来上がっています。

カルシウムの役割


カルシウムはからだの中で最も多いミネラルです。大人の場合、約1kgのカルシウムが存在するといわれ、そのうちの99%が骨や歯に、残りの1%が血液中や細胞に存在します。


①骨や歯の材料となる
②イライラやストレスなどを静め、神経を安定させる
③筋肉(平滑筋を含む)の収縮に不可欠
④体内のイオンバランスを正常値に維持する
⑤体内の浸透圧を一定に保つ
⑥血液凝固促進作用
⑦心筋の機能を正常に保つ
⑧抗アレルギー作用

カルシウムはさまざまな反応の引き金になる
カルシウムで最も重要なことは、細胞内:細胞外=1:10000という割合で存在しているということです。

細胞内外のカルシウム分布の割合この割合がきちんと保たれることによって、ホルモンや神経伝達物質などがきちんと分泌されたり、筋肉が鋭敏に動いたりという反応がスムーズにできています。カルシウムはいろんな反応の引き金の役割を果たしているのです。

カルシウムの吸収


細胞内外のカルシウム分布の割合食品から摂ったカルシウムはまず胃酸などによって溶かされ、主に小腸で吸収されます。小腸上部の吸収には活性型ビタミンD3が必要です。

こうして吸収されたカルシウムは、いざというときに備えて骨に蓄えられていきます。

カルシウム吸収促進因子と阻害因子

 ~CPPとカルシウム~
カルシウムを吸収するとき、小腸下部にリン酸があるとこの2つがくっついてしまい、カルシウムが吸収されにくくなってしまいます。

CPPはこのリン酸とカルシウムがくっつく邪魔をし、カルシウムの吸収率を上げてくれます。

小腸内でのカルシウム吸収における促進因子と阻害因子

カルシウム吸収に不可欠な因子
活性型ビタミンD3、マグネシウム、胃酸

カルシウム吸収を促進する因子
 CPP(カゼインホスホペプタイド)
乳糖

カルシウム吸収を阻害する因子
リン酸、シュウ酸、フィチン酸、多量の食物繊維

カルシウムの働き
カルシウムには以下のような働きがあります。これらの働きを維持するために、からだは何重もの工夫を凝らして、体内のカルシウムを維持しています。

①骨カルシウム
人の骨格を形成し、運動の支柱となる血清カルシウム濃度を維持するための貯蔵庫としての役目

②血清カルシウム
(血液に含まれている
カルシウム)
神経や筋肉の興奮性の調節
血液凝固因子の活性化
骨石灰化の促進
細胞内カルシウム
分泌の合図
(ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、消化酵素など)
筋肉の収縮
酵素活性の調節(酵素を活性化・不活性化させる)
細胞増殖、細胞の分化、細胞形態の維持
※細胞内カルシウムはからだの中で重要な情報を伝える役目をするセカンドメッセンジャーとしてのはたらきもあります。

カルシウムの主な働き

骨、歯などを形成
血液凝固
筋肉収縮
神経の興奮の抑制
細胞の機能調節
血圧上昇の防止
カルシウム不足の症状
カルシウムが不足すると次のような症状や病気が起こる可能性が出ます。

小児のくる病
骨粗鬆症
心疾患
高血圧症
動脈硬化
妊娠高血圧症候群
認知障害
免疫異常
糖尿病
肥満
腫瘍
軟骨の変性と変形性関節症

 

~カルシウムパラドックス~



カルシウムが不足すると起こる、カルシウムパラドックスについてみてみましょう。

カルシウムが足りなくなると、からだは骨からカルシウムを溶かし出します。そして溶け出したカルシウムは血管に入り、細胞に運ばれていきます。

このとき、細胞にある普段閉まっているカルシウムの通り道がホルモンの関係で開きっぱなしになり、細胞内にカルシウムが流れこんでしまいます。その結果、実はカルシウムが足りないのに細胞内のカルシウムが増えてしまうという逆説が起こります。これをカルシウムパラドックスといいます。パラドックスとは逆説という意味です。

カルシウムパラドックスが起こるとどうなるの?
カルシウムパラドックスが起こるとどうなるのでしょうか?

カルシウムパラドックスが起こると、カルシウムの1:10000という大切なバランスが崩れ、細胞がびっくりしてしまいます。そしてその結果、ホルモンなどの分泌の障害が起きたり、筋肉の動きに影響が出たりします。また、細胞の中にカルシウムがたくさんある状態が続くと、ついには細胞が死んでしまったりもします。カルシウムが骨から出続けると骨粗しょう症、カルシウムが血管にたまれば動脈硬化や高血圧、脳にたまればアルツハイマーの原因にもなるともいわれています。

「カルシウム不足」と言われて思い出すのが骨がスカスカになる骨粗しょう症ですが、それ以外にも、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの病気、老化の原因となってしまうおそれがあるのです。

日本人はカルシウム不足?


日本人にカルシウムは足りているのでしょうか。
残念ながら、カルシウムは日本人に万年不足する栄養素となっています。

平成21年の国民健康・栄養調査(厚生労働省)によれば、カルシウム摂取量の平均は約500mg強( 20歳以上男女)です。

日本人が摂った方がよいカルシウムの量は表のようになっています。これから見ると、平均500mgでは毎日150~300mgも足りないことになってしまいます。 生活習慣病予防のためにも、カルシウムは意識してしっかり摂りましょう。

カルシウムの食事摂取基準
性別 男性 女性
年齢(歳) 推奨量(mg/日) 推奨量(mg/日)
1~2 400 400
3~5 600 550
6 ~7 600 550
8~9 650 750
10~11 700 700
12~14 1000 800
15~17 800 650
18~29 800 650
30~49 650 650
50~69 700 650
70以上 700 600
日本人の食事摂取基準 [2010年版](個人レベル、推奨量)

せっかく摂ったカルシウム無駄にしていませんか?

~リンとカルシウム~


リンとカルシウムはくっついてしまうと、小腸で吸収されにくくなってしまいます。リンは魚類、乳製品、大豆、肉類など一般的な食品に広く含まれている成分ですが、スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれる過剰なリンは、体内に入ったカルシウムを排泄してしまいます。リンの過剰摂取には気をつけましょう。

また、精製された糖を摂りすぎると、食事で摂取したカルシウムの80%近くが体外に排泄されてしまうことがあります。

吸収阻害物質
シュウ酸(ほうれん草のあく)
過剰のリン(加工食品、清涼飲料)
過剰の食物繊維(サプリのとり過ぎに注意)

骨の健康とカルシウム
骨の健康を保つのに、カルシウムが必要です。

骨はミネラルと骨気質でできています。そしてこのミネラルは主にカルシウムとリン酸でできています。この中にはマグネシウムも入っていて、骨の強さを保ってくれています。

よりよい骨の健康のために、カルシウムだけでなくタンパク質、マグネシウムもしっかり摂りましょう。

骨の構造
ミネラル
主にカルシウムとリンでできています。ここにマグネシウムが入っていて、骨の強さを保つのに役立っています。
骨気質
主にコラーゲンでできています。ほかにオステオカルシンやオステオポンチンなど
マグネシウムと一緒に ~カルシウムとマグネシウム~
細胞膜におけるカルシウムチャネルでの生理的カルシウム拮抗作用マグネシウムはカルシウムのブラザーイオンとも呼ばれるほどカルシウムの働きに重要な役割を果たしています。

カルシウムとマグネシウムが一定の比で存在することが、私たちのからだの調子を整えてくれるのです。

カルシウムを摂るときはマグネシウムも一緒に摂りましょう。

摂取するときの比はカルシウム:マグネシウム=2:1とする文献が多いですが、その比は1:1がいいのではないか、という意見もあります。

アルツハイマーとカルシウム
社会的に問題になっているアルツハイマー型認知症ですが、アセチルコリンという神経伝達物質が関わっているという仮説があります。

このアセチルコリンを分解する酵素アセチルコリンエステラーゼの分解と合成にカルシウムが関わっていることが報告されています。

ストレスにはカルシウム
ストレスによってカルシウムとマグネシウムは体外にすてられてしまいます。
ストレスの多い人は、意識してカルシウムとマグネシウムを摂りましょう。


カルシウムを多く含む食品
(1食当たり使用量と含有量)


カルシウムは、乳製品、小魚、豆製品、青菜などに多く含まれます。

食品 冷やっこ 無糖ヨーグルト 鮭水煮缶
まずは、食品から。
カルシウム以外の栄養素、サプリメントをとっていてもカルシウムは50歳こえて大きな差になります。
骨が丈夫なら血管も神経も元気です。
まずは、アーニーカイロに問い合わせをして相談してみて下さい。  

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