読書のすゝめ『ボトルネック』

僕は10月中旬に、誰かがTwitterで話題にしているのを見てこの本を購入し、読みました。そのことを今日図書館で勉強している最中に思い出したので、ボトルネックについて書こうと思います。最近もまた流行ってるみたいですね。



あらすじ

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

https://www.shinchosha.co.jp/book/128781/

あらすじから少し不穏な空気が漂っていますが、その予感は的中し、とても重い内容でした。受験勉強や学校生活への疲労、Twitterでの人間関係の拗れなどで鬱々していた僕はこれを読んでしまったあと、自分がこの世に存在して良い理由を見失ったほどです。『ボトルネック』を読んだ感想が日記に書いてあったので見てみましょう。


読了時の感想


 ボトルネックを読んだ。自分が生まれなかった、存在していなかった世界線のほうが社会にとっても良いって、これ俺にも当てはまることじゃないか?
 俺がこの家に生まれてこなかったら良かったのではないか、俺でなく他の誰かが代わりに生まれてくれば良かったのではないかと思う。

こんな調子で読んだあとに自分の存在している意味を自問自答していました。 

自論


簡単にあらすじを追っていくと、主人公のリョウは東尋坊で死んだと思ったら、違う世界線に行っていて、自分の代わりに生まれたサキと出会い、サキの世界線の方が自分の世界よりも良く、なぜそのような違いが出来たのかを段々理解して、自分の選択に絶望する、といった物語です。

この話は読者自身の人生経験にも当てはめることができ、自分の環境が悪いのは自分の過去の選択のせいだったのか、などといくらでも絶望に浸ることができます。自分自身が社会にとっての“ボトルネック“だったのではないか、だとしたら今すぐ取り除かれるべきなのではないか、そういった思考に囚われてしまいます。その時の僕はこんなことしか考えられませんでした。
だが、月日がたった今ならポジティブに考えられなくもないです。たとえば、俺の生まれなかった、今よりも環境の悪い世界線を想像し、なるべく良い選択を心がけるようにしていくとか…?急に変わるのは難しいですが、意識だけでも変わるかも…?

……やっぱりポジティブに考えるのは無理かもしれません。


まとめ


絶望に浸りたい方にはオススメです。気軽に鬱々した気分になれます。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。


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