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「マンガでわかる! 仮説思考」によってお別れできたこと

「マンガでわかる!仮説思考」を読んで、私は「完璧でなければ」と怖がり、やみくもに情報収集をして決断を先送りする自分と別れることができました。なお、仮説思考は元BCGの内田和成さんの書籍が有名ですが、ちょうど会社の本棚にあったため、漫画版を読みました。

「マンガでわかる!仮説思考」のあらすじ

アイスクリームを製造・販売している企業に勤める主人公・細井穂乃果は、日頃の成果を認められて新商品の企画・開発を任されます。
彼女は新商品の開発のために、チームメンバーとアイスクリームの種類、形状などのデータをひたすら集めます。メンバーの頑張りによって、データは集まりますが、肝心の新商品の企画が決まりません。その結果、企画が決まらず、次の行動が取れないという状況に陥ります。そんな時に、高校時代の同級生がコンサルタントとして登場し、仮説思考を穂乃果たちに伝授することによって、新商品の企画を助けるというお話です。漫画の途中に解説がついており、理解しやすいです。

学んだこととお別れしたもの

穂乃果たちのように、ありとあらゆる情報を集めて決断・実行することを網羅思考といい、まじめにこつこつやってきた人はこちらの傾向が強いようです。一方で仮説思考とは、先に仮の答え(仮説)を立てて、検証していくという手法です。

私は決断・行動をするには、ありとあらゆる情報が必要で集まれば集まるほど、良い決断ができると考えており、実際にユーザをサポートするときのトラブルシューティングでは、特にその方法が有効であると考えております。例えば、ユーザからスクリーンショットをもらったり、システムのログを見ることで、原因を特定し、最適な判断・アクションを取ることができます。

一方で新しく何かを決める時は、今までのやり方が通用しなくて困っておりました。社外のベストプラクティスやアンチパターンなどを集めて読んでみたり、「今はいいけど、来年は社員も増えるし新しい問題に遭遇するかもしれない」や「新しいルールに対して反対する人もいるかも」などと考え始めると余計に決断ができず、決断を先送りにしてしまうことがありました。

それでこの状態から抜け出すために「マンガでわかる!仮説思考」を読みました。漫画の中では、コンサルタントが「まずは仮説を立てて検証してみる、そしてその仮説が有効でないと分かれば再度仮説を立てて検証してみる」と記載がありました。仮説を修正・進化させるために、仮説・検証のサイクルを細かく繰り返すことがポイントだそうです。

この漫画を読んで仮説思考を学ぶと共に、ふとカスタマーサクセス時代のことを思い出しました。当時の私は、すこぶる厳しい環境で仕事をしていました。
まず、顧客とのメールのラリー数は最小にする必要がありました。1回の案内で網羅的な、完璧な案内である必要がありました。また案内がどんなに完璧でも1文字でも誤字・脱字があれば、即インシデントとしてクライアントに報告されました。
メールのラリー数、案内の品質、文章の構成、誤字・脱字は自分の成績に関わるため「間違えてはいけない」と脅迫に駆られながら業務をしなくてはいけませんでした。かなり気をつけていたので、結果として常に成績は良く、やりたいことをやらせてもらえましたが、辞めたあとも仕事をする上で常に緊張が抜けませんでした。
過去を振り返って「しっかり情報を集めて判断し、完璧な状態で価値を提供することが何事においても正しい」というマインドが、新しく何かを始める際の決断や実行を遅くさせていたことがわかりました。

そのため、カスタマーサクセス時代の成功体験と「完璧であらればならない」という意識とはお別れしようと思いました。
また現在のヘルプデスク業務では、原因特定のために一定網羅思考が役に立ちますが、新しい運用方法やルールを考えるときは、仮説思考を使おうと思いました。

さいごに

今回、網羅思考という言葉を初めて知りました。言葉を知るだけでも、自分を客観視できるメタ認知能力が向上したように思います。
また漫画を読んでから、実際に業務でもチーム内のナレッジ共有の方法を同僚に相談し、会話の中からヒントを得ることができて、新しいナレッジ共有の方法をチームで実践し始めたところです。
カスタマーサクセスの経験・成功体験から網羅思考の考え方に偏っていましたが、今はコーポレートITとしてルールを作ったり、答えのない問題を素早く解くことを求められており、仮説思考が有用であることがわかりました。
今後も新しいことに挑戦する際は、仮説を立てて素早く行動できるようにしたいと思います。

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