小説・成熟までの呟き 23歳・1
題名:「23歳・1」
入社してから約1か月後、美穂は23歳になった。形食株式会社は、加工食品を製造する老舗企業である。一般職として入ったが、主に事務作業をすることになる。同期は10人だった。職場では、流れを付けたポニーテールでパソコンを操作しているときはメガネをかける。灰色のベスト・紺色のプリーツスカートの制服になっている。美穂はなぜ事務勤務の制服がスカートなのかが気になった。同期の人に聞いてみると、「この会社は男性が営業で外回りをして、女性が内勤をするというある意味伝統的な形になっている。スーツだらけの男性が多くいる職場がギスギスする雰囲気になることを避けるために、一般職には親しみやすさを求めているのかもしれない。どちらかというと営業を支える立場だから・・。私自身は、気が引き締まっていいとは思う。」と言う。美穂自身は、普段の私服はパンツスタイルが大半でスカートを穿くことはほとんど無い。だから制服に着替えることで、気持ちが切り替えられると思うようになった。その後毎日着替える度に、興奮するようになった。また、読者モデルをしていたときに「足が綺麗だね」と褒められたことから、足を出すことに抵抗感は無い。冬はタイツを着ることが可能だという。尚、靴は特に人と会うわけではないのでローファーでも可能だという。美穂は、大学在学中のときと同じ所で1人暮らしを続け、約1時間かけて電車で通う。平日の週5日出勤で、9時から18時まで勤務する。
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