小説・成熟までの呟き 22歳・2
題名:「22歳・2」
2013年3月26日に、美穂は明能大学を卒業した。入学式と同様に、武道館で行われた。赤色の袴を着た。「美穂は赤色の服が似合うね。」と言われた。活発な性格に合うのかもしれない。式は盛大に行われて、その後は学科ごとに卒業証書が授与された。紫紺の色で重みを感じた。受け取ってからは、「ああ今まで頑張ってきたんだなあ」と思った。その日の午後には、ゼミごとに送別会が開催されて最後の会話を楽しんだ。美穂にとっては、大きな思い出となる1日だった。これにより、美穂の学校生活は終わった。
4月1日に、美穂は形食株式会社に一般事務職として入社した。髪の色は自分に似合っているという思いからどちらかというと暗めの色で、ストレートにしてみた。入学式では就職活動と同様に黒いスーツで臨んだ。緊張していたが、大きな一歩だった。