2023.10.4 理科 「苗字」は遺伝するか
記事2023.10.3 の続きです。
5班の書いたホワイトボードの「中間の形質」の中に「苗字」を見つけました。確かに両親の苗字は、子に引き継がれて、まるで遺伝するかのようです。あなたが先生なら、どのようなコメントをしますか?
普通なら、「<形質>とは生物の持つ形や性質を表す生物学上の言葉なので、<苗字>は形質ではありません」というところです。
しかし、ここでリチャード・ドーキンスが著書「利己的遺伝子」で使った「ミーム」という言葉を思い出しました。
(先生の話)
確かに親の苗字は子に受け継がれます。まるで「遺伝」のようですね。
「人が苗字を持つ」などの我々の文化は、子や孫に引き継がれます。稲作も言語も伝統も・・・。これらの現象を「文化的な遺伝」とみなしたとき、その遺伝をもたらす文化的な遺伝子があると考えて、それをドーキンスと言う人は「ミーム」と名付けました。
しかし、今学習している生物学では、「苗字」などヒトが持っている文化的な特徴は「形質」の中に入れない、ということは知っておきましょう。
そんな話を授業でしました。
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