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静岡大学 前期二次試験の傾向と対策【英語】

 現役静岡大生である筆者が、静岡大学の前期二次試験「英語」の出題傾向と対策方法について紹介します。

注意:この記事は令和2年度試験に基づいて作成しています。令和3年度以降は試験方式が変更される可能性が高いため、静岡大学ウェブサイトなどで定期的に情報を収集するようにして下さい。

内容は適宜修正します。

2021/01/21 「大問6 情報学部情報科学科 独自問題」「対策」を追記しました。

筆者について

 2020年3月、静岡大学 情報学部 行動情報学科に現役で合格しました。「英語」と「総合」の2科目からなる前期二次試験では得点率83%をマークしています。

試験の概要

 試験時間は80分で、5題出題されます。問題の難易度はセンター試験並みですが、配点の多くを長文読解や自由英作文が占めることを考えると決して余裕のある時間配分とは言えません。問題冊子は設問文も含め全て英語で印刷されているので、問われている内容について間違った解釈をしないように十分注意して下さい。センター試験(共通テスト)の点数にもよりますが、得点率65%~70%以上で合格圏内に入ります。

試験の特徴

・主な出題分野は長文読解(55%)と自由英作文(25%)です。文法問題は配点の2割に過ぎません。

・長文読解では、内容の説明問題が多く出題されます。解答を日本語で記述させる問題もあります。一方で、和訳問題はほとんど出ません。

・文法問題で誤文訂正が出題されます。

大問1 長文読解総合(物語)

 最初の大問は長文読解問題で、センター試験 第5問のような物語文が出題されます。小問は例年6問、配点は30%です。主に記述式の説明問題(例:「なぜ○○は××したのか答えよ」)や代名詞の具体化問題(例:「下線部1は何を意味するか答えよ」)、正しい答えを選ぶ4択問題が出題の中心です。解答を日本語で記述させる問題もあります。

2020年:「賢いJackとトロールの駆け引き」951words ※単語を本文中から抜き出す問題が出題

2019年:「暴れん坊の羊・Ulrik」1021words

2018年:「熊のパディントンの入浴」839words ※6問中5問が説明問題

大問2 英文法・語法(誤文訂正)

 短い英文に引かれた4つの下線のうち、文法的に間違っているものを指摘し、訂正する問題です。小問数は例年5問、配点は10%です。直前の勉強で何とかなるものでは無いので、試験日の数ヶ月前から少しずつ対策しておきましょう。

大問3 長文読解総合(評論)

 センター試験 第6問のような評論が出題されます。小問は例年5問、配点は25%です。

2020年:「ネズミのコミュニケーション能力」825words

2019年:「脳の認識が味覚に与える影響」779words

2018年:「いかにしてマイナス思考を食い止めるか」721words ※小問数6

大問4 英文法・語法(会話文補充)

 小問は例年5問、配点は10%です。会話文の途中にある空白を文法的に正しい語句で埋める問題です。出題方式は「3択」「5択」「語群から選択」のいずれかで、年度によって異なります。

大問5 自由英作文【工学部除く】

※工学部では出題されません。

 与えられたテーマに沿って120words程度の英作文を書く問題です。配点は25%と高く、最も差が付く問題と言えます。テーマも英文で与えられるため、解釈を間違えて作文すると内容の不備で大幅減点される可能性があります。設問は十分読むようにしてください。

2020年:「15歳の自分に手紙を書くとしたら、何を伝え、どんなアドバイスをするか」

2019年:「より良い生活を送るためには、大学に行き、学位を取得することが必要だとかつて多くの人たちが信じていたが、今日においてその必要は有るか」 ※最初に賛否を明らかにする

2018年:「著名人物(生死は問わない)にインタビューする機会があったら、誰にどんな質問をするか」

大問5 長文読解総合【工学部】

 2020年度から新しく出題されるようになった問題です。工学部のみ出題されます。短い文章を読み、その内容について40文字~80文字程度の日本語で記述する問題です。

2020年:「ジェンガができるロボットについて」300words

大問6 情報学部情報科学科 独自問題

 2021年度の一般入試(前期日程)からは、情報学部情報科学科に限り独自の問題1問(大問6)が追加され全6問となります。これに伴い、試験時間が他学科と比べ20分延長され、100分間となります。

情報学部情報科学科独自の問題では,情報分野を含む科学技術に関する英語問題を通じて,言語運用能力,数理論理力・分析力,問題解決能力など,情報科学を基盤に社会で活躍していくために必要な素養(情報科学的素養)を判断します。(https://www.shizuoka.ac.jp/nyushi/outline/pdf/inf_eng20200508.pdf より引用)

上記の資料で提示されている問題イメージでは、大問6の出題内容は

・英文や図表を参考にしつつ自分の考えを日本語で記述する問題

・図表を参考にしながら、筆者の考えを日本語でまとめる問題

・著者の考えについて、自分の意見を日本語で記述する問題

となっています。ただし、これは今後の入試における出題内容を確約するものではありません。

対策

1. 共通テストの対策をする:静大の一般入試は共通テスト(旧:センター試験)の配点が他大学と比べて高く設定されています。共通テストで高得点を獲得できれば二次試験が楽になりますから、まずは共通テストの対策に集中しましょう。

2. 英単語をマスターする:静大の英語長文は平易な文法で書かれているものが多く、難解な単語や文法の含まれる文章はあまり出題されません。「速読英単語 必修編」「英単語ターゲット1900」など、センター試験~中堅私大レベルの英単語帳を1冊購入し、マスターしておきましょう。

3. 文法をマスターする:「スクランブル 英文法・語法 Basic」など、基礎レベルの文法書を1冊マスターしておきましょう。

4. 速読の練習をする:静大英語の試験時間は80分。決して余裕があるとは言えません。しかし、長文の速読力を身に付けることで時間に余裕を持たせることができます。500~700words程度の長文読解問題集を使って速読力を養いましょう。センター試験の過去問演習も有効です。

5. 過去問を解く:過去問は静大のウェブサイトでも閲覧できますが、解答例が無く、問題文も著作権の関係でほとんどがカットされているので、赤本を購入しましょう。1冊に3年分の過去問と解答例が収録されています。それより古い過去問は、学校の進路指導室や先輩から借りましょう。(私は前期試験10年分、後期試験4年分を解きました) また、河合塾が毎年配信している入試問題の分析資料(2020年→ https://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/20/si1.html 、2019年→ https://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/19/si1.html )では難易度や語数の変化を確認できます。

6. 自由英作文の対策:一般的に100words~150words程度の自由英作文では内容の濃さや構成はあまり重要視されません。文法やスペルをミスしなければ、安定して高い得点を狙える問題と言えるでしょう。難しい文法や単語を無理に使おうとせず易しい言葉で言い換えることで、これらのミスをする確率を減らすことができます。文法ミス・スペルミス・論理の飛躍などは自力で見つけられないこともあるので、過去問演習で書いた自由英作文は先生に添削してもらうことをお勧めします。

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