年号と時代、年号という訓戒
年号が令和になって4年が経ちました。年号が変わってから、日本で、世界中で大きな事件が立て続けに起きています。
元年元月6日 英国王室に第一子の男児が誕生。
元年7月 京都アニメーション放火事件。
元年 COVID-19パンデミック開始。
2年夏 東京オリンピック開催
3年1月 アメリカ連邦議会占拠事件。
4年2月 ロシアのウクライナ侵攻。
4年7月 安倍元総理大臣銃撃事件。
皆さんも一度は思ったことがありませんか?
「令和になってから事件、災害が多くないか?」と。
私もこの疑問を思い、年号がもつ影響力というものを考えるようになりました。とはいえ皆さんも「年号と時代は関係ないでしょ?」と思いますよね。本稿は、そこから始めたいと思います。
年号と時代
明治、大正、昭和、平成を経て令和に至ります。
皆さんはそれぞれの年号に意味があることをご存知でしょうか。
例えば明治。
「聖人は南面して天下を聴き、明に嚮(むか)ひて治む」という漢文から引用されています。私の解釈は、偉い人は南に向かって勝ち、陽と向き合って治める、です。
では、明治時代に起こった事件などを見ていきましょう。
世界では
ヨーロッパの南の玄関口であるスエズ運河開通。
普仏戦争で南を向いていたプロイセンが圧勝。
ロシアが南進して満州を占領。
日露戦争で北上してきたロシア海軍を日本が撃退。
中華民国成立
イギリス人のスコットが南極に到達
日本では
天皇一代に、ただ一つの年号を用いることを定めた一世一元を制定。
明るい太陽が描かれた日章旗が国旗となる。
君が代に曲が付く。
都合の良いものを並べました。
都合の悪い歴史でいうと、世界史では南ア戦争でしょうか。イギリスが北上しながら勝ってます。とはいえ、私が調べた感じではこれだけです。戊辰戦争は東には進めど、北上はしていませんから。
次、大正
「大(おほ)いに亨(とほ)りて以(もっ)て正(ただ)しきは、天(てん)の道(みち)なり」という易経からの引用だそうです。
亨(とほ)るとは、献上する、もてなす、形容詞の時は、順調なさま、支障なく達するさま、という意味だそうです。
大正時代の世界では
第一次世界大戦終戦後、パリ講和会議で決まったドイツに課せられた多額の賠償金(※つまり、もてなさない処理)がのちの第二次世界大戦の原因になる。
ドイツのアインシュタインが一般相対性理論を完成。
ロシア革命によりソビエト社会主義共和国連邦が成立。のちに崩壊。
大正時代の日本では
いまも続く宝塚歌劇団、設立。
第一次世界大戦の影響で,日本は輸出を大幅に伸ばし空前の好況をむかえる。
関東大震災発生。各国から救援や義援金、医療物資の提供の申し出が相次いだ。
関東大震災、震災直後の7日には緊急勅令によるモラトリアムが出されたが、その過程で戦後恐慌に伴う不良債権までもが補償され(やりすぎた?)、のちに昭和金融恐慌を起こすことになる。
いかがでしょうか。
まるで、起こることをあらかじめ知っていた何かが、こうすればいいのになあ、なんて言いながら年号を決めたのでは?といいたくなります。
では、昭和
百姓(ひゃくせい)昭明(せうめい)にして、萬邦(ばんぱう)を協和(けふわ)す。
書経というものからの引用だそうです。意味は、百姓の身分をわかって明らかに正し、百姓の身分が明らかになってから、万(よろず)の邦(くに)を協同和合させた。 そこでもろもろの民が大いにさかえ、また和合したのである、となるそうです。私なりに解釈すると、分をわきまえろ、身の程を知れ。他の国と仲良くしろ、だと思います。
昭和はいろいろありますが
すぐに思いつくのは第二次世界大戦です。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦に勝って、連戦連勝する日本が分不相応にもアメリカに喧嘩を売った戦争だと聞いています。いつかは来るべき敗戦だったと。
いかがでしょうか。年号の原文の意味が突き刺さってくると思いませんか?身の程を知れ、仲良くしろ、と。明らかに日本は年号の意味するところとは異なる道をたどり、そして失敗しています。その後は、なんとか国の体裁を維持し、戦後の復興へと向かいます。
しかし
昭和で日本人は二度目の失敗を犯します。バブル景気です。ここでも年号がいう身の程を知れ、他国と仲良くしろ、という訓戒とは真逆のことをします。実をつけない仇花ばかりが咲き乱れる、無能と堕落を量産した時代です。詳しくはネットで検索してみてください。子供がそんな風に遊んでいたら、親は必ず注意したことでしょうや。その後、落ち着きのない子供が多くなり、授業中に暴れるのが一般的になった。それを学級崩壊と親世代は呼びましたが、バブル時代を謳歌した堕落した親たちから育てば、さもありなん、です。
平成
書経からの引用。内(うち)平(たひら)かに外(そと)成(な)る。
もうおわかりでしょう
後に、失われた20年とか、30年と言われる時代の幕開けです。国内は平々凡々、ところが中国や韓国はその間に力をつけ隆盛を誇るのです。まさに、内は平で、外は成る。
さてさて
では、「年号は時代を表す」というか、まるで「その時代でどうすればいいのか教えてくれる」ことを前提にして、令和という年号について考えていこうと思います。
次回、梅花歌三十二首併序令和考。お楽しみに!
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