AIが作る「いつもの」、人が作る突飛なもの
AIは、最も確率の高い言葉を順々に並べて文章を作成しています。「もうかりまっか」の次は「ぼちぼちでんな」がくる可能性が高いですよね。なのでAIは「もうかりまっか」と言われたら「ぼちぼちでんな」と返すのです。
これは文章だけではなく、絵や音楽、音声も同様でして、当たり前の返しを捻りなく返します。こういう返しパターンで絵も描くし、音楽も作るし、声も作ります。要するに、おばちゃんの長い電話にときどきいれる相槌などの捻りのない応答は、全部AIに任せたらいいのです。皆がそうする、いつもそうする、そうするのが当たり前なことはAIにやらせた方が楽なのです。
そうするとですね。人はその「当たり前」では、仕事にならないどころか、個性にすらなりません。じゃあ何が個性になるかというと、当たり前ではないこと、皆がしないこと、いつもはしないこと、となります。
例えば音楽では、真面目に音階だの旋律だのとやっていては、5秒で1曲作るAIに勝てません。人はAIの学習データに無い音で曲を作ったりするようになるかもしれません。酒を飲んでいるときに出すげっぷの音、飲んだはずの酒と電信柱の下で再会する音、嫁さんに殴られる音、など。どちらかと言えば騒音に近い音楽になるでしょうか。
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