◆「ショルイセンコウツウカ?」
先週は色々と変化の多い週だった。こんなにたくさんの企業から声がかかったことなんて・・・というか、今まで1社からも声がかからなかった訳だから、私の就活状況は相当改善されたと診て良いだろう。よし今週もこの調子で・・・
「ん?中舘から何通もメールが来てる・・・」
書類選考の結果?・・・早くないか!?
期待と嫌な予感が入り混じる。
メールを開く・・・想定通り、トマト運輸、明治電工、後田建設、山崎重工からの書類選考結果だった。
パタパタッとメールを開き、内容を確認する。トマト運輸のメールがインパクトよく目に入る。見慣れたメール内容・・・
「やっぱりダメだったか・・・そんな簡単に上手くいくわけないか・・・」
「またか・・・」
「ん?」
急いでもう一度メールを見直す。中舘が送ったメールの文章、そのレイアウトがどれも同じような感じなので、うっかり見落とすところだった。
4件のうち2件は書類選考通過のメールじゃないか・・・
「危ない危ない・・・」
若い人にはきっと信じられないだろうが、五十路を超えると本当に”信じられない”ような見落としをする。この”中舘”という男は、きっとまだ若いのだろう。どんな内容でも同じような構成、熱量で書かれると間違いの元になる。それ以上になんだかつまらない男だ。
さて・・・何はともあれ素直にうれしい。
”年齢の数ほどの応募をして初めて書類選考を通過する”と言っていた、山泉さんの言葉を思い出した。
これまでに、私が応募したのは30社を少し超える程度。この段階で書類選考通過が2社、スカウトは3社か・・・悪くない。単純に書類選考までの応募件数を、その人の”就活年齢”に換算すると、私はまだ30代前半ということか・・・ますます悪くないな。
■第33話へつづく