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『テンシンシエン!』第41話

◆「ホウシンケッテイ?」

 Davisの井村さんが送ってくれたフューチャーコンサルティングの資料だが、やたら目に付くのが『結論ファースト』と『論理的思考』いう言葉。
 このフューチャーコンサルティングと言う会社、他の項目を見てもなんだかよく分からない。中でも『2025年までに社員数を1000人にする!』という中期経営計画だ。どこにもその具体策や理由が書かれていない。せめてその目標は”なぜ?”の説明が欲しいところだが・・・

「まぁ面接の時に聞けばいいか・・・ん?、彼らはどうやって収益を得ているんだ?」
 事業説明の詳細を読んでも、それがイメージできない。それはマネタイズがどうこうというレベルではない・・・事業そのものの実態が見えないのだ。そもそも私はどんな仕事をするのだろうか・・・

 結局、この資料でわかったことは、フューチャーコンサルティングとは、『結論ファースト』と『論理的思考』で運営され、『2025年までに社員数を1000人にする!』という中期経営計画の目標を持ち、新規事業、とくに『社会課題解決型』や『ヒューマンセントリック分野』の『ビジネスプロデュース』型コンサルティングを目指す会社と言うことだ。現在、何をやっているとか、現在進行形の具体的な内容には全く触れられてなかった。これはホームページも同様で、まるでなにか空を掴むかのような実体のないものに感じた。ただ、採用試験の内容を聞くと、結構ハードルは高く、他の試験内容とは一線を画す。さらに、この会社に対するDavis内のランキングも高いようで、皆一様に丁寧な対応を心掛けているように感じる。

フューチャーコンサルティング。ますます不思議な存在ではある。

 想定年収は、『~2000万円』の表記。この表記の場合、年収が500万円でも1000万円でも該当するが・・・少し慎重になった方が良いのだろうか。

 そんなふうに考えると他の二社がずいぶん普通に見えてくる。

 事業計画は不明確だが、体育会系人事本部長山下さんの『NEKST』。山下さんの不器用なやり方に好感が持てる。想定年収は1,000万円以上。
 そしてメディカル領域のDXサービスソリューションコンサルを目指すと謳う『パーソナ プロセス&テクノロジー』。百貨店用CRMを病院用に改修し、それらをオンサイトで導入する業務、これをコンサルと呼ぶかは別にして、ここが一番わかりやすいし、想定年収も1,400万円以上と、比較的現実的。

「この三社の中だったら、パーソナの一択だろう・・・。」

 私は6月4日に予定されている『パーソナ プロセス&テクノロジー』の面接に全てを賭ける覚悟をした。他の2社には悪いが、私のためのリハビリ役になっていただこうと・・・



そしてついに初戦ともいえる6月1日の火曜日がやって来た。

 今日の相手は、あのフューチャーコンサルティング。この会社に対する私の面接スタイルは、”空気の読めない奴”。
 遠慮せず何でも聞いて、私の中にある節度を持った大人を開放し、6月4日の本命の日までに、メンタルを強くしておこう。


■第42話へつづく


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