家族教育
障害を負われた患者さんのご家族に病気の特徴や特性、生活上の注意点や工夫を我々理学療法士は伝えるというお仕事がある。
例えば、
「家の上がり框に手すりがあると便利ですよ。」
「お風呂は手すりだけじゃ心もとないので、こんな道具を使いましょう」
「外を歩くときはこんな道具が〇〇さんにはあってますよ~」
等々
起き方から話し方聞き方に至るまで、その患者さんが便利にかつ身体能力が落ちないように、ご家族に伝える。
このことは「家族教育」「家族指導」等の言葉で表されることが多い。
身体機能を上げる方法として「家族教育」のエビデンスレベルはトリプルA。つまり、とっても有効な手立てであるという事です。
先日他事業所の介護支援専門員さんと話していて、私がこの「家族教育」という単語を用いたときに、明らかに難色を示された。
「家族教育って、なんだかご家族に対して差別的だ」
と、その介護支援専門員は言うのだ。
医学的な教科書や論文にも記載されている言葉なので、私はその指摘に対して、驚きを隠せなかった。
動揺を全力でひた隠して、できるだけ平静を保ちつつ。落ち着いた口調で私は
「それじゃ、貴社ではどんな表現を使われておられるのですか?良かったら教えていただけないでしょうか?」
と、平に平に聞いてみた。
すると、介護支援専門員は
「うちの施設では、躾(しつけ)と呼んでますけど」
というのだ。
これまた絶句。「家族教育」がダメで、「しつけ」がOKなのか。
介護保険下でお仕事をしていると、医療職の私の想定内を軽々と越えていく福祉の人たちの言動。
本当に介護保険下のお仕事って難しい。
最後になりましたが、全部こんなんじゃないですからね。ケアマネさんの中にはいい人もいるんですよ。全部がこんなんじゃないですから。きっとこの人だけ、もしくはこの法人だけだと思う。そう思いたい。介護とか知らない人でも名前ぐらいは聞いたことがあるような介護業界で言ったら日本で指折りの上場会社なんですけどね~。ん~残念。(´;ω;`)