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デジタルスキルレベル低空飛行の因果@日本【DX哀歌③】
1. 昨日のnote記事
昨日スイスのビジネススクールIMDがまとめる「世界デジタル競争力ランキング」を紹介しました。
IMDの調査対象国である64か国中で、日本の
「企業の俊敏性」は64位
「デジタル・技術的スキル」は62位
・・・これはやバイよねという話をしました。
2. 長期ランキング推移
このIMDがまとめる「世界デジタル競争力ランキング」ですが、遡ると1999年までデータがあるようでしたので、少しランキングの推移を整理してみました。
図は拡大してから見てみてください。
あるいは下記URLの先に大きい版が置かれています。
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もともとの調査は64か国ありますが、あまりたくさん出しても煩雑になるので、データがそろっているG20の国に絞り込んでいます。
気になる国だけ着色しています。
赤の四角が日本です。
改めてみると、どうやら日本は2016年ぐらいまでは上位をキープしていたようです。が、その後一気に転落して、そのあとはずっと低空飛行です。
一体何があったのでしょうか?
3. ランキングの根拠は?
このようにランキングが推移するからには、何かランク付けをする根拠があるのだろう・・・と思い、IMDのサイトのレポートをよく読んでみました。
が、特に理由は見つかりませんでした。書いてないやん。
もしかすると有償のデータの中にあるかもしれませんが・・・
えーと・・・2,200フランですと・・・? 1フラン=130円ぐらい?
いや、1記事書くにしては重いわ・・・(-_-;)
なので、とりあえず邪推をすることにします。
日本と一緒に下ってきている国に、アルゼンチンがいます。
また逆にこの期間に一気に上位に上り詰めた国に、中国がいます。
これを見たときに、「あっ」と思いだしたのがこれ↓
これはIT調査会社のガートナー社が出している、各国のクラウドに対する支出の調査レポートです。
縦軸にIT支出に占めるクラウド支出の割合、横軸に支出の伸びを置いて、主要な国をプロットしています。
この調査によると、日本もアルゼンチンも、「クラウド抵抗国」という扱いになっています。
「先進国」がアメリカ「後続国」がカナダやイギリスなど。
中国は、なんか大外から一気に捲って(?)「クラウド先進国」扱いになっています。
IMDのランキングの上位の国と、下位の国とも重なる部分が多いような気がしませんか?(ブラジルはちょっと違うが)
2016年、2017年ごろというと、ちょうど日本でも「なんかAWSっていうのがあるらしいよ」「使い始めた会社もあるらしいよ」というのがぽつぽつ話題になってきたころです。ランキングの変動が起こった時期とも符合します。
中国についていえば、中国パブリッククラウド大手はAPAC市場の40%を占めるような状態まで来ています。
日本にいるとAmazon、Google、Microsoftのどれかを選ぶことが多いので、なかなかこれに気付きませんが。
パブリッククラウドマーケットでの中国は、かなりプレゼンスを上げてきているといえます。
確かなことは言えないですが、この辺がランキングに影響しているのかもしれません。
(2016年、2017年以前は一体何を根拠にランキングを決めていたのか?これもよくわかりませんでした、すいません)
邪推ついでに邪推を重ねると、
「デジタル・技術的スキル」=「パブリッククラウド」62位が
「企業の俊敏性」64位にもつながっているかもしれませんね。
パブリッククラウドのスキルがないと、なんらかのデジタルサービスを立ち上げようと思ってもトライアンドエラーを繰り返すのが難しいですし、POC(Proof of Concept)をやること自体も一念発起しないとできない・・・ということになるかと思います。