【掌編】ダリの記憶の固執(1931)から思いついた掌編
小学生になったばかりのAは、「時間にけじめがない」と担任の先生に叱られてばかりいた。こども園でもそのような評価を受けていたから、特段驚くようなことでもない。
例えば給食をのんびり食べていて、掃除の時間になってもまだ食事を諦められないとか、数字を書く練習が気に入ってしまい、次の国語の時間になっても書き続けているとか、そういったことだ。
Aには両親の他に、ずいぶん変わり者の祖父がいた。祖父は一日中、畳の部屋に座って書を書いている。Aのことは本当に可愛いらしいが、Aの両親とは