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本棚:『あなたとなら食べてもいい 食のある7つの風景』

7人の作家によるアンソロジー。ドラマの撮影現場から消えたエクレアの真相にちょっと驚き、大学時代のサークルの女友達4人でのランチの会話にはちょっと恐いなと思ったり。そして「カルボーン」の名前に懐かしくなりました。食のある風景で思い出すのは、やはり誰かと食べた場面。
私の料理が苦手な理由の1つは、食に対する熱量が低い方だからではないかと思っています。流行りのものを食べたい!並んででも食べたい!という気合いはなく、その結果、美味しいお店もほとんど知らず。学生の頃も会社に入ってからも、お店を決めなきゃいけないときはプレッシャーで。
数年前の夏に帰省したとき、友人から「なに食べたい?」と聞かれ、「何でもいい」は困らせるんだろうなと思って、できるだけ具体的な方がいいだろうと考えて答えたのが「ナスの冷製パスタ」。自分としては頑張ったつもりでしたが、むしろピンポイントすぎてメニューにあるかわからない…と。まぁ、近頃はたいてい「肉が食べたい」と答えています。
40歳の売れないタレントの女性が主人公の話の中で、整体師から、長年の悪意が溜まっていると言われる場面があります。思わず、私の体も年々、動きが悪くなっているように感じるのは、悪意が溜まっているから?とドキリ。片づけと同じように、体の中のものも、心の中のものも、まずは出すのが先だよねと最近思うようになりました。そうしないと、美味しいものも、素敵なものも、思いっきり楽しめないですもんね。


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