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本棚:『時の罠』

辻村深月さん、万城目学さん、湊かなえさん、米澤穂信さんによるアンソロジー。図書館で本書を見つけたとき、「あれ?以前に読んだことあったかしら?」と思ったものの、まぁ、覚えてないし、初見と変わらない感じで読めるだろうと借りました。一作目が辻村深月さんの「タイムカプセルの八年」で、あぁ、読んだことあった!と思ったのですが、残りの3作品は記憶になく…。たぶん、辻村深月さんの作品は別の本で読んでいて、本書を読んだことあるかも?と思ったのは、『神様の罠』と勘違いしたのだと思います。

米澤穂信さんは、古典部シリーズや小市民シリーズ、図書委員シリーズを読んだことがありますが、こういうのも書くんだなぁと思いました。

一番印象に残ったのは、湊かなえさんの「長井優作へ」。小説でもドラマでも、第三者の目線であれば、勘違いやすれ違いに気付いてもどかしい思いをしたりしますが、実際の場面では勘違いに気付かずにそのままになっていることが多いんじゃないかなと思います。いい方向に勘違いしているならいいのですが、悪い方に勘違いしていたら、なんとももったいない。それでも、気付かなければ、そういうものとして時が流れていくと思いますが、ある時、その勘違いに気付いたら、これまでの時間が大層もったいなかったな…と思うんだろうなぁ。性善説じゃないですけど、よい方向に解釈する癖をつけておいた方が、人生、楽しいんだろうなぁ。


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