本棚:『本を守ろうとする猫の話』
幼い頃に両親が離婚し、さらに母が若くして他界したため、古書店を営む祖父と二人暮しだった高校生の夏木林太郎。しかし、祖父も亡くなり、学校には行かず、引きこもりとなった彼の前に現れたのは一匹のトラネコ。
猫好き、かつ、本屋さんを舞台にした本が好きな身としては、なんとも惹かれるタイトル。でも、なんで猫?トラネコ?と思いましたが、著者本人による解説にて、あのトラネコかぁと思いました。ただ、物語に出てくる古典と言われる本たちは読んだことがなく…。
たくさん本を読んでいる方がすごいとか、そのためには、いかに効率よく速く読むかが大事、みたいに思ってところは自分にもあったので、ドキッとしました。そして、これって本だけじゃないよね?とも。
八百万の神の考え方が好きですが、新しいものをどんどん消費していく大量消費社会では、神様も宿りにくいんじゃないかなぁ。できるだけゴミを出さずに暮らしたい!という思いはあるので、使い捨て商品はあまり好きではなく、長く大切に使いたいと思っています。でも本に関しては、一冊の本を繰り返し読むことは稀で、どうせ読むなら別の本!みたいな考え方をしていました。
あと耳が痛いなと思ったのが、読みやすい本ばかり読んでいる…ということ。物語の中では登山に例えられていますが、仕事に例えるなら、簡単にこなせる仕事しかせず、新しいこと、難しいことにトライしないのと同じことですよね。先日読んだ『文庫旅館で待つ本は』に出てきた本を読んでみようかな。