
本棚:『キッチンつれづれ』
アミの会によるアンソロジー。キッチンが舞台なので、家族とのつながりの話が多いかなと思います。キッチンというと家の台所を思い浮かべますが、大崎梢さんの「春巻きとふろふき大根」は公民館で開かれている男の料理教室が舞台。そして福澤徹三さんの「限界キッチン」は、(ぼったくり)居酒屋。他人様のお宅の台所にお邪魔することは滅多にないので、自分にとっての当たり前が、実はそうではないということもあるかもしれないなぁ。
永嶋恵美さんの「お姉ちゃんの実験室」に登場するお姉ちゃんは、レシピ本マニア。レシピに忠実に料理を作ります。たとえ明らかに誤植だろうと思えても、書いてある通りに作らなかったら、レシピが悪いのか、自分の腕が悪いのか、わからないから。
タイトルに「実験室」とあるように、料理って実験みたいなもので、実験が上手な人は料理もうまいんだろうなぁと思っています。なにせ自分が料理も実験も下手なので。段取りを考えて、その通りに動けて、さらにはうまくアレンジきかせて、アクシデントにも強くて。料理上手な人に憧れます。
私にとって、キッチンでの思い出と言えば、小学5年ぐらいから米とぎが私の仕事となり、これは今でも実家に帰った時は、もれなく私の仕事として残っています。それがいつの間にか夕食後の皿洗いが追加され、コロナでしばらく帰省しなかった後は、皿を水切りかごに入れっぱなしでは注意され、さらには最後、水切りかごをきれいにするところまで、と徐々に増えてきました。
そのわりには、年末の大掃除で2階のトイレが私の担当ですが、「見えるところをきれいにすればいい」とか、以前に比べて手抜き容認な感じで。
片づけ好きとしては、実家のキッチン、モノ多すぎ…と思っていまして、使っていないものを手放せば、快適になるのになぁ~と思っています。でも、子どもの言うことを親がすんなり聞くかというと、そこは難しいですよね。