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本棚:『星がひとつほしいとの祈り』

いずれも女性が主人公の7つの物語が収められた短編集。どれも素敵で、涙と鼻水が大変でした。ままならないことは多々あるけれど、それでも光を見出して生きよう、という気持ちになります。

「斉唱」では、体験学習として、母娘で佐渡島へ行き、トキについて学び、トキの餌場となる「ビオトープ」の整備などを行うワークショップに参加します。同じワークショップの参加者たちは、親の方が環境問題に熱心で参加を決めた様子。意識が高いことは悪いことではないですが、「ちょっとな…」と思う場面も。
自分自身が「環境意識高い系」だと思っていますが、私もこんな感じだったりするのかなと反省。「もっと環境のことを考えなさいよ!」というオーラを出しまくっているかもしれないな、とか、頭でっかちで行動には移せておらず、考えていることも的外れ、とか。でも、観光地でのゴミ問題は、マナーの問題だけではなく、すぐゴミとなる売り方もどうかと思うわけで。売り方、仕組みを変えられたらいいのに、とよく思います。

私が一番好きなお話は「長良川」。何か大きな出来事があるわけではないけれど、「あぁ、幸せってこういう感じなんだろうなぁ」と思いました。ちょっとした優しさ、思いやりの積み重ねが、大きな幸せとなるのかなと。

10年以上前の作品だけれど、時代みたいなものは全然感じなくて、多分、10年後に読んでも、私はまた泣くのではないかと思います。


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