本棚:『言葉の園のお菓子番 復活祭の卵』
シリーズ第4弾。亡き祖母が通っていた連句会にお菓子を持って挨拶に行ったことから、連句を巻くことになり、祖母のお菓子番も引き継ぐようになった一葉。連句会に持って行くお菓子は実在のものなので、余計に気になります。
話題になったり、有名だったりするお菓子に疎いので、今まで知らないお菓子ばかりでしたが、初めて食べたことのあるものが登場(以前も登場していたのでしょうが、その時は食べたことがなかったので)。一つは「うさぎや」の「どらやき」で9月の定番のお菓子。私の場合は、上司が外勤からの帰りに職場の人たちの為に買ってきてくれて、思わず「おぉ~」と思いました。食べ応えがあって、また食べたいなぁ。
もう一つは「豆源」の豆菓子。主人公は麻布の豆源で買うのですが、私は帰省の際に、実家へのお土産を大丸で物色している中で見つけて可愛いなと思い買いました。でもよく考えたら、私自身は食べてないかも…。友人へのお土産としても買ったことがあるのですが、まさか自分が食べてなかったとは…。
本書を読んで、連句はいろいろ決まりがあって難しそうだなと思いますが、決まりがあるからいいこともあるんだなと知りました。マナーやしきたりなんかも、面倒くさい、形式的、心がこもっていればいいじゃない?などと思うけれど、形があるからこそ、それに則ってやればいいという安心感があるというか、みんな共通認識としてあるというか。特に知らない者同士の時には何らかの形があると助かるんだろうなと。
一方、連句で表から裏にはいったら縛りがなくなり自由なものに。ずっと堅苦しいとつらいけど、いきなりハッチャケられないし、よくできているんだなと思いました。
本シリーズには私が勝手に身近に感じている理由がありまして、今回も一人にやにや楽しみました。続きが楽しみです。