本棚:『本と鍵の季節』
高校二年生の堀川次郎は図書委員。委員会で知り合った松倉詩門は背が高くて顔もよく、話してみれば快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋だった。そんな二人が図書当番しているところにやってきたのは図書委員会を引退した先輩。先輩がもちかけてきた「ちょっといい話」とは。
米澤穂信さんの「古典部」や「小市民」シリーズに比べると、主人公がふつうっぽくて身近な感じでいいかな~と思って読み進めるも、あら、この子たちもなかなかふつうじゃないわ…と。
解説によると、本書の最初の話「913」(図書館を利用する人なら、この数字が何かわかることでしょう)は、単発の読み切り作品として発表された作品だったが、シリーズ化されたとのこと。そして、最後の話は単行本書下ろしとなっており、二人の今後がどうなるのかな?と少々気になる終わり方だったので、続きはないのかな?と思ったら、これまた解説によると続編刊行予定と書かれているではないですか。この文庫本は2021年発行なので調べてみれば、続編は『栞と嘘の季節』で刊行されてました。しかも、図書委員シリーズとは!これは早速つづきが読みたい。でも古典部シリーズが、まだ途中なんだよなぁ。
堀川と松倉がすごく仲がいいわけではないし、考え方の違いもあるけれど、視点が違うからこそ気付けることがあり、そういう関係はいいなと思いました。