本棚:『夕闇通り商店街 コハク妖菓子店』
神社の境内の奥に忽然と出現する夕闇通り商店街。その商店街の端にあるのは「コハク妖菓子店」。並んでいる商品は「よくばりこんぺいとう」「とうめい和三盆」などの可愛らしい和菓子。しかし、この店にたどりつけるのは、存在が不安定になってしまうほどの悩みをかかえた者だけ。
それぞれの話の主人公は、もちろん「コハク妖菓子店」にたどりついてしまうほどの悩みの持ち主。買ったお菓子には店主の狐月が込めた妖力により特殊な効果があり、食べるとふだんとはちょっと流れが変わりまして…。狐月のお菓子がきっかけではあるけれど、主人公たちが悩みのもとが何なのか認識して、どうしたらよいか前向きになるのがよいなと思いました。さらっと読めますが、自分の気持ちに素直になることが大事かなぁと思いました。
妖菓子店というからには洋菓子では?と思いそうですが、コハク妖菓子店のきっかけがわかる最終話はちょっとほろ苦いかなぁ。
『和菓子のアン』シリーズがきっかけで、和菓子に興味を持ち、毎月最終土曜日を和菓子の日として、季節の和菓子を買おう!と思って、近所の和菓子屋さんに行ってた時期があります。いつの間にかやめてしまったのですが、やっぱり和菓子はいいですよね。季節のお菓子と言えば、「言葉の園のお菓子番」シリーズも好きで、作品中に出てくるお菓子、毎月、コンプリートしていこうかしら…。せっかく今は都内在住だし、この先もずっと東京にいることはないと思っているので、行くなら今でしょ!と。