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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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#近藤史恵

本棚:『タルト・タタンの夢』

〈ビストロ・パ・マル〉シリーズの第一弾。勤めはじめて二カ月のギャルソンである主人公の高築智行、ソムリエの金子ゆき、副料理長の志村洋二、料理長の三舟忍の4名で切り盛りしているフレンチ・レストランが舞台。 表題作の「タルト・タタンの夢」と「割り切れないチョコレート」は、アンソロジーで読んだことがあるので、このシリーズ自体は知っていたのですが、ちゃんと読んだのは初めて。そして、読書メーターの感想を見て、「シェフは名探偵」というドラマにもなっていたのね、と知りました。(テレビをあまり

本棚:『Shelter』

合田接骨院シリーズ第三弾。ようやく小松崎は歩と恋人同士となって幸せいっぱい!のはずが、歩の姉、恵が行方不明となり…。 一般人の私は、華やかな場面しか見ていない&知らないから、例えば芸能人などは多くの人から愛されていいなと単純に思ってしまいますが、みんながみんな好意的に見てくれるとは限らないわけで。誰からも愛される人も中にはいるのかもしれませんが、大抵の人は、好いてくれる人と、嫌ってくる人の両方いるのでしょう。今でこそ、自分にとって大事ではない人の意見なんて気にしなくてもいい、

本棚:『カナリヤは眠れない』

就職したばかりの頃、はじめて作ったクレジットカード。それは魔法のようだったが、自分がどうしようもない状態になっていると気づいたときには借金は450万円を超えていた。両親に泣きついて完済し、一度は抜け出したはずが、再び悪徳に身を染めるようになり…。 中学の頃に授業で見たビデオを思い出しました。ワンルームの部屋の映像から始まったのですが、それはクレジットカードの使い過ぎにより、首が回らなくなり自殺したOLが住んでいた部屋。そのビデオの刷り込みが大きくて、昔はクレジットカードはあ

本棚:『茨姫はたたかう』

結婚するまで親元にいるつもりだったが、ワケあってひとり暮らしを始めた梨花子。住み始めたレディスマンションは、管理人は若い男だし、隣人も自分とは別のタイプの人たち。そんな中、郵便受けが荒らされるようになり…。 自分の身近にストーカー被害にあった人はいないので、ニュースで聞く程度です。それでも大学生の頃、アパートの鍵がある日、鍵穴に全然入らなくなったことがあって、その時はすごく怖かったです。ピッキング防止用の鍵に変わった後で、管理会社に電話したら、鍵をいたずらされたのは事実だろう

本棚:『シャルロットのアルバイト』

『シャルロットの憂鬱』の続編。短編集ですが、途中でコロナの話も出てきて、『たまごの旅人』と同じ時期か~と思いながら読みました。 本屋さんでバイトするとか、できるだけ自給自足するとか、実現可能性があまり高くなさそうな夢の1つに「猫と暮らす」というのもありまして。「どうして猫、飼わないの?」と聞かれた時に、直近の理由としては「ペット可の物件ではない」というのがありますが、それ以外の理由もあるわけで。私の場合は、室内飼いの方が長生きするけれど、ずっと家の中よりは、家の中と外を自由に

本棚:『シャルロットの憂鬱』

イラストに惹かれて手に取りました。 二度目の不妊治療に失敗して泣きはらすわたしに、夫の浩輔が提案したのは、犬を飼うこと。愛犬家の叔父の紹介で出会ったのは元警察犬のジャーマンシェパードの雌犬、シャルロット。元警察犬だけあって、躾の心配もなく、おおむねいい子で、ときどき悪い子。短編集でして、犬と一緒に暮らすっていいんだろうなぁ~と思いながら読みました。 犬派か猫派かと聞かれれば、わたしは猫派です。理由は、わたしが子どもの頃にはまだ野良犬がいて、学校からの帰り道で遭遇したとき怖かっ