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本棚:『カナリヤは眠れない』

就職したばかりの頃、はじめて作ったクレジットカード。それは魔法のようだったが、自分がどうしようもない状態になっていると気づいたときには借金は450万円を超えていた。両親に泣きついて完済し、一度は抜け出したはずが、再び悪徳に身を染めるようになり…。

中学の頃に授業で見たビデオを思い出しました。ワンルームの部屋の映像から始まったのですが、それはクレジットカードの使い過ぎにより、首が回らなくなり自殺したOLが住んでいた部屋。そのビデオの刷り込みが大きくて、昔はクレジットカードはあまり使わないようにしていました。今は、自分には物欲がほとんどないと認識しているのと、使った額を管理しているので知らぬ間に使いすぎることもなく、ポイントも貯まるし、クレジットカードが使える場所ではカード払いとなりました。でも、リボ払いは絶対にしないぞ!と。
大きな買い物をするときに現金を持ち歩くのは嫌ですし、カードは便利だとは思いますが、いっぱいお金を使うように街中が仕組まれているように見えなくもなくて、なんだか怖いですね。本当は必要がないものを買って、がんばって働いて得たお金が減るのも、本当は要らないものでも、それを作るために費やされた資源のムダも、なんだか許せなくて、無駄に欲望を掻き立て環境破壊して、それってどうなのよ?となんだか腹立たしく思いました。あと、宮部みゆきさんの『火車』を思い出しました。一番大きな買い物は家かと思うのですが、家を所有することに価値を感じないからか、借金してまで買いたいものってあるのかなぁと思うのですけど。

本書は終盤で気付かされる仕組まれた罠がありまして、そうだったのか…と。


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