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<小学生探究レポート③>木が“木材”になるまで。津田木材団地見学ツアー
鳴門教育大学付属小学校5年1組の総合学習。
第3回目は学校を飛び出して、徳島市津田地区にある木材団地(※)を訪れました。
(※)徳島市の津田木材団地(正式名称:徳島県木材団地)
徳島市津田海岸町に位置する日本有数の木材関連工業団地。1959年に外材(外国からの木材)の入荷が始まり、1963年に徳島県が木材団地の建設を計画し、津田海岸を選定した。その後、1966年に徳島県木材工業団地が設立され、1972年には徳島木材団地連合会が設立された。1981年には徳島港区津田地区に木材専用埠頭が完成し、木材の輸入や流通の拠点として機能している。
これまでの流れ
今年の総合学習のテーマ「徳島の魅力を伝えよう!」で、伝えていきたい魅力を『徳島の木』に決めた5年1組の子ども達。
そして、総合学習のゴールとしては、徳島市の森林環境税を使い道について企画を考え、徳島市へ提案することを目指し、学びを進めています。
これまで
実際に徳島の木に関わる魅力(木材×伝統技術)を世界の人に知ってもらうチャレンジをしている職人さんから話を聞いたり
(授業① 見えているものだけが全てではない)
徳島市の森林環境税と、森林づくりに関わる取り組みについて学びました。(授業② 徳島市の森林づくり - 森林環境税って?)
今まで知らなった世界・知識に触れる度に、子ども達から新たな問いや、企画の種が生まれてきています。
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「木について、もっと知りたい」といったコメントがちらほら見られます。
何事も、企画を考える上で、それが机上の空論にならないよう現場を知り、課題を正しく理解することは大切です。
振り返りを受けて、山で伐った木が最終的に私たちの身の回りのモノに形となって届くまでの流れを知ることが必要だという認識から、現場=森林産業と置きました。その中でも、今回は日常生活で、私たちが直接関わることがほぼない 川中(※) の産業にスポットを充てました。
▼川中とは
川上・川中・川下(かわかみ・かわなか・かわしも)とは
商品の流通経路(サプライチェーン)を川の流れにたとえたもので、川上が原料、川中が製品、川下が販売を指しています。木の流通においては、川上にある山で木を伐り、川中の山裾で製材して、川下にあるまちで木材を販売するイメージです。
どのような仕事があるのか=What
誰が=Whoどんな想いで行っているのか
どのように行っているのか=How 等々
これらを知るため、2時間半という限られた時間の中で3か所を巡る、
ギュッと濃縮されたツアーが実現しました!
見学①:徳島津田バイオマス発電所
最初の見学は、徳島津田バイオマス発電所へ伺いました。
▼バイオマス発電とは(株式会社レノバHP)
自然由来の資源を燃やすことで、その蒸気でタービンを回し、発電機を稼動させて電気を作り出しています。
徳島津田バイオマス発電所では、現在、海外産の木質ペレットやパーム椰子殻(PKS)を燃料にしています。将来的には徳島県産材を燃料に活用することも検討されているとのこと。
また、年間の発電量は約15万世帯分に相当するといい、徳島県全体で30世帯あるので約半分に値する(!)ということ、などを教えていただきました。
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見学②:株式会社ダイリFPC
2か所目に訪れたのは、住宅部材の製造・販売、高気密・高断熱化しやすい工法である ツーバイフォーのパネルを工場生産しているダイリFPCさん。
丸太を製材している製材工場
製材された板の乾燥・磨き上げをするモルター工場
ツーバイフォー工場
本社
をそれぞれ見学させていただきました!
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寸法は機械で管理されており、正確に製材されます。
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徳島県内の山から運ばれてきた丸太の他に、愛媛県からの丸太もあるそう。
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大量に安定した部材を作り出すことができます
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ツーバイフォー工法であれば、工場のように大きな建造物も木造で建築可能とのこと!
ダイリFPCは創業時(現社長の三代前)、製材事業を行っていました。
木材需要・住宅需要の減少、職人の不足等時代の変化に伴い、海外からの木材輸入事業、そして今のツーバイフォー事業へと、事業変革を行ってきたということを伺いました。
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見学③:木材製品市場(株式会社ゲンボク)
最後に訪れたのは、製材された木材製品を、全国のホームセンターを中心に販売しているゲンボクさんの製品市場。
漁師さんが水揚げした魚が魚市場で並べられ卸売されるように、木材販売についても、市場機能があり出荷されているんですね!
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徳島県が誇るブランド材『木頭杉(徳島すぎ)』の板材も在庫管理されていました。
木頭杉(徳島すぎ)
木頭杉は、徳島県西南部の那賀郡や海部郡で産出される地域ブランド材で、徳島すぎとも呼ばれます。温暖な気候と豊富な降雨量に恵まれた自然環境が杉の育成に適しており、日本有数の林業地として知られています。
[特徴]
・ 赤身の芯材が鮮明で、明るく暖かい印象を与える
・ 杉特有の「断熱性」や「保湿性」を兼ね備えている
・ 柔軟な性質をもつため、フローリングとして施工した時の足あたりがよく、心地よい
・ 強度性が優れており、厚板、割柱、内装材に利用される
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現状、安価な外国産輸入材の取引量も多いとのこと。木材市場の製品管理をされている西村さんからは、木頭杉はもちろん、他県のブランド杉含め、県産材・国産材の魅力をもっと知ってもらい、使ってもらいたいというお話を伺いました。
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「木頭杉の魅力をもっと知ってもらいたい」
半日で3か所をまわった今回のバスツアー。短時間でインプットする情報量も多いことに加え専門的なお話もあったので、子ども達にとってはかなり濃厚な体験となったようです。
一旦持ち帰り、これから後の授業の中で、子ども達が今回の内容を咀嚼し、気付きや問いを企画に繋げていけるよう、引き続き先生と連携しながらフォローしていきたいと思います。
🌳子ども達の見学にご協力いただいた方々
徳島津田バイオマス発電所
村上義広 様、髙井潤一 様株式会社ダイリFPC
小濱孝彦 様、社員の皆様株式会社ゲンボク
西村匠子 様
本当にありがとうございました!