勇者の挑戦 / ドラゴンクエストIII
この曲は、魔王ゾーマとの決戦という究極の場面にふさわしく、荘厳かつ劇的な音楽で構成されておる。序奏の和音を主体とした重厚且つ複雑な進行は、絶対的な威圧感を持つゾーマの存在感を描写し、そこから勇者たちの決意を象徴する力強い旋律が浮かび上がりますぞ。この旋律は「アレフガルドにて(広野を行く)」のモチーフを変奏、リハーモナイズされたものとなり、戦いの心境だけでなく、アレフガルドの地での勇者の”真の誕生”を予感させる集大成的な楽曲と言えますな。
それでは、影響を感じるクラシック音楽について記していこう。
ストラヴィンスキーの影響
「火の鳥」の《フィナーレ》は、不協和音と劇的な旋律が混ざり合い、闇から光へと移り変わる壮大な音楽である。冒頭の静けさからクライマックスに向かう劇的な展開は、「勇者の挑戦」にも通じる要素がありますな。特に金管楽器のファンファーレ的な響きと、弦楽器による緊張感のある旋律の対比が、戦いの中での恍惚感を想起させますぞ。
ホルストの影響
《火星》は、リズムの強調と不協和音を駆使し、戦争の恐怖と荘厳さを描いておる。「勇者の挑戦」でも、戦いの緊迫感を生むために、リズミカルで不安定な響きが用いられていますな。また、「火星」が持つ押し寄せるような力強いフレーズと、緊張感が途切れない構造は、ゾーマとの戦いの緊迫感を彷彿とさせますぞ。
コメント欄を開放しておるので、クラシック音楽からの影響、その是非についての意見をいただけるとありがたい。音楽の創造において、過去の偉大なる遺産をどのように活用するか、これは常に議論の的となるところじゃ。そなたのお考え、ぜひとも聞かせてほしいと思う。