「日本人が試されている」と感じたRIZAPグループの挑戦
「もっと値上げしてくれていいのにな。値上げしても通い続けるから、どうかここでずっと営業を続けていてほしい、私の大切な場所であり続けてほしい」
自分の負担が増えることになっても、絶対に失いたくないと思うお気に入りのお店が皆さんにはありますか?
仕事が休みの日、朝の家事を終えてからウォーキングを兼ねてカフェ読書に行くことが、私にとって大切な日常のひとつです。
私はコロナ禍で、行き先であったカフェ・喫茶店を3つも失ってしまいました。よく行くお店、たまにしか行かないお店の両方ですが「閉店のお知らせ」の張り紙を見るたび、とても悲しい気持ちになりました。
一番のお気に入り店が、今も頑張ってくれていることが救いです。
先日、約10年ぶりくらいに、RIZAPグループ株式会社の株主になりました。
RIZAPグループの企業理念は、
「人は変われる。」を証明する
昔ライザップの株主だったころ、私は投資先の行っている事業や企業理念などに興味がなく、とにかく自分が投資で利益を得ること、お目当ての株主優待がもらえることだけを目的に株式投資をしていました。
これは素人の私個人が抱いていた勝手な印象ですが、ライザップは赤字企業を次々子会社化してうまいことやって金儲けしているというような、ずっとそんな悪いイメージを勝手に持っていて、でも業績悪くても株主優待だけは大盤振る舞いする会社。よし、優待目的で買おう!
そんな気持ちで、ライザップの株を保有していた記憶があります。
今回なぜRIZAPグループの株主になったかというと、実はこれまた株主優待狙いです。
皆さんもご存じかと思いますが、最近急拡大しているRIZAPの新業態「コンビニジムのchocozap」
ここに通ってみたいな、と思ったのがキッカケです。
ダイエットから逃げていた時、最寄り駅近くにchocozap1店舗目が出店。ポスティングチラシを見てすごく気になっていました。
「もう、私はお金をかけないと痩せることなんてできないだろうな」
「でも、運動嫌いだし通える自信がないな」
その後、週2で働いている会社の近くにも1店舗できました。続いて、その自転車での帰り道にもまた1店舗。
ウォーキングの徒歩圏内に、全部で4店舗もできました。
着替え不要。5分でOK。会員は全店舗365日24時間通い放題。これならやれるかも?
ウォーキングは2年ほど前から楽しく続けている。でも、何か他の目的・行き先がないと、ウォーキングだけのために出かけることが、いまの私にはできません。
その主な行き先が、ちょっと遠い場所にあるお気に入りのカフェたちでした。
「ジムなんて通わなくても、歩けばタダじゃん」
夫に言われますが、これが苦も無くできれば、何も苦労もしないし太ってません。
お金を出すことで、本気で取り組む覚悟ができる。chocozapが、ウォーキングの新しい「行き先」にもなる。
ちょっと試しに入会してみようかな。続かなかったらやめればいい。
ここで思い出したのが、RIZAPグループ大盤振る舞いの株主優待です。
やっぱりあった!
RIZAPグループの株価は、現在180円前後です。
180×100株=18000円の投資で、chocozap3か月間無料(約9000円相当)
相変わらずビックリな大盤振る舞いは変わっていませんが、これは広告費の役割も果たしていますし、きっとchocozap会員さんにファン株主になってもらいたいのでしょうね。
ありがたく使わせていただくべく、すぐに注文を出し株主になりました。
この時点では、完全に優待狙いの投資。
でもその後、chocozapについて情報を集めていく中で、大きな気持ちの変化が起こりました。
RIZAPの社運を賭けたこの新しい挑戦は、日本人の精神性が大きく試されている、chocozapのビジネスモデルが成功しない日本、もしそうなったなら、これは「RIZAPの失敗」として終わらせていいことじゃない、私は株主としてではなく、日本国民としてとても悲しい。
いま話題のchocozapについては、ブログやSNSで様々な意見が飛び交っています。
chocozapに対する多くの人の「自分本位の感想文」は、まるでこの世の中を表す縮図のようで、そしてchocozap事業の行く末が、日本の未来を予見させるかのように感じたので、かなり思考が偏ってると思いますが、今日は私もその縮図の中の一人として、chocozapに対する「自分本位の感想文」を書いてみたいと思います。
注)私は現時点で会員ではなく、実際にちょこざっぷを利用した経験はありません
(前書き1800字💛全6100字)
日本人は「民度が高い」
そんなことを良く聞いてきたし、私自身もそう信じたいしそうありたいと思っています。
でも、長所と短所は表裏一体。コロナ禍以降、日本人のよくない部分ばかりがやたらとフォーカスされているように感じるのは、私だけでしょうか?(それならば、私の目が曇っているということです)
資本主義についてどう思いますか?
この、到底完璧とは言えない、「愛」とは遠くかけ離れたような「資本主義」からいまだに人類が抜け出せないのは、いったい誰のせいだと思いますか?
これらの本を読んだとき、思いました。
あぁ、愛だけで回る世界にするには、私たちの精神性がまったく足りてないんだなぁ。
これは一部の人だけのせいではなく、私も含めてほとんどみんな愛だけの世界にはまだ住めない。
私はちゃんとやっている、真面目に働かないあの人は許せない、私ばかりに負担がくる、それなのにあの人と同じ給料(時給)なんておかしいでしょ、ずるいでしょ、私以外誰もコピーの補充しないじゃん、ゴミの分別もまともにできない人がいる、みんな気づかないふり、知っててもやらない、トイレットペーパーの芯を替えるのは私ばかり、「やってる人とやってない人」ちゃんと正しく評価してくれないとね!!「頑張ってるわたし」には何かご褒美がないとやってらんない!
「どんな人も、そこにいていい」
そんなふうに、こころから思うことがまだできない。
だから、今の地球人の精神性に見合っているのが、この資本主義なんだ。愛だけで回らないこの世界を回していくのに、私たちにはまだ「お金」が必要なんだ。その中で少しでも世の中がよくなるように、いまの自分のできることをやっていくしかない。そんな風に思いました。
世界で「ベーシックインカム」が検討されはじめたり、「これからは好きなことをして生きていく時代」と言われたり、価値観が似た人を集めてお金を介さずとも、お互いが自分の得意なことを出し合って、協力して生きていけたらいいねというコミュニティが生まれたり。
でも、そんなポジティブな変化のなかでも、まだまだ今の私たちでは「〇〇な人はお断り」という、自分たちと違う価値観を持ったひとを排除しないと、きっと内部から不満が出てそのコミュニティは成り立たない。
朝井リョウさんの言葉が思い出されます。
朝井リョウさんの言葉には、本当にドキッとさせられる。
なんでchocozapについて書いてるのに、こんなことを書いているのか私にもよくわからないんですが、ブログや旧Twitter「X」で、chocozapに対する「自分本位の感想文」をいっぱい見ていると、本当にいろんなことを考えさせられたんですよね。
話を本題のchocozapに戻します。
「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、日本の企業はどこも”おもてなし精神”にあふれていて「安くしてんだから、これで我慢しとけよ!」なんて気持ちでサービスを提供する会社って見たことないです。
↑以前、しまむらについても書きました。
安くてもお客様に喜んでいただこうという気持ちで、みんな取り組んでいる。
chocozapは、月会費税込み3278円で365日24時間通い放題。
今までのフィットネスクラブの常識を打ち破る安さでサービスを提供していますが、置いてあるマシンやセルフエステの機材は可能な限りの企業努力で、お客様に満足してもらえるよう妥協のない設備を準備していると感じます。
その代わりに、この新業態で重要視する「安さ」の実現のため、人件費を含めて削れるものはトコトン削ってる。
RIZAPグループが、2022年9月に発表した「2023.3月期~2026.3月期 中期経営計画」の中に、こんな文言を見つけました。
フィットネス後進国である日本。
「運動初心者」がたくさんいる。
課題は、簡単にできて、便利で、安いフィットネス環境が不足していること。
運動嫌いな私でさえ「通ってみたいな」と思ったchocozapです。
「歩けばタダじゃん」
そうだけど、私と同じように何かキッカケがないと運動できない、続けられないという人はたくさんいるはず。
「簡単、便利、安い」
chocozapが日本中に広がって、運動が必要だと思いながらも一歩を踏み出せない、私のような運動初心者すべての人に届くといいな。それで日本人の健康寿命が少しでも延びたら素晴らしいことだな。
これだけでも「応援したい」という気持ちになってきました。
chocozapの口コミを見ると、無人であるがために「マナー違反を注意する人がいない、衛生面の不安、ゴミが片づけられていない、アルコールの補充がされていない」など、不満の声が上がっています。
定期的に清掃は入るものの「無人」を選択した時点で、環境の保持はある程度会員ひとりひとりの良識に委ねられることになる。
ここまではわかっていたことでしたが、私がとても驚いたのが「フレンドリー会員」という制度の存在でした。
週一回(もしくは週2回)1回15分、店舗内の清掃や備品の補充などお手伝いをすることで、月会費が1000円(週2の場合は2000円)割り引かれるという制度です。
掃除専門のバイトの方もいるようですが、店舗によっては主にフレンドリー会員さんが運動ついでに掃除してくださっている。この制度についても賛否両論ありました。
「客をこんな格安で働かせるなんて、この会社大丈夫か!」
「掃除好きだから、割り引いてもらえて安く通えてラッキー、がんばるぞ」
フレンドリー会員さんのモチベーションもさまざま。
「ありがとうって言ってもらえた。この店舗キレイだよねって言ってもらえた。うれしいな」
決まりでは15分だけど、30分くらいボランティア精神でやってる人が多かった。掃除好きでガチで1時間以上やる人もいる。
反対に、割引だけを目的にまともにやってない人もきっといると思う。
労働に対し割に合わないという人もいる。
フレンドリー会員さんたちに対して感謝する人、文句言う人。
フレンドリー会員でなくても、自分が利用する場所だからと率先してちょこちょこ掃除する人。
汚れが気になるから掃除したいけど、なかなかフレンドリー会員認定されないんだよなと嘆いている人。
いろんな意見があったけど、私はみんなの「自分本位の感想文」を読んで、日本人に大きな期待をしたくなってしまったんです。
勧誘・ナンパのような「不審な行動」「転倒」などに対する安全面は、監視カメラとAIで検知通報、近隣スタッフが対応する。でも、利用のマナーや清掃面など環境の整備については、常に見張られているわけではない。
管理者に見張られていない中で「マナー違反の人はお断り」と排除できないなかで、ワザとじゃなくても汚れは自然と溜まっていく中で、汚しても平気な人、できるだけキレイに使おうという気持ちの人、率先して掃除する人、文句を言うだけで何もしない人、いろんな人がいる中で、人はどれだけ自分たちの力で「気持ちよく使える空間」を守っていけるだろうか?
みんなキレイな方がいいと思ってる。キレイな方が嬉しいから掃除してもいいという人がいる。やってもいいと思いながらも「なんで私が?」という損したような気持ちになってしまったり、いろんな思いが交錯しているように感じました。
RIZAPに対し、清掃に対する完璧を求めるのなら、それは必ず価格転嫁されることになります。
「簡単、便利、安い」を維持しながら、お客様との「共創」を目指すフレンドリー会員制度は、大きな社会実験だなぁと私は思いました。
「安く通えたら金銭的に助かるな」と好意的に制度を受け入れ積極的に参加する人、フレンドリーの活動があるからchocozapに行こうとモチベーションが上がる人、ありがとうと言ってもらえて「これからも掃除がんばろう」と思えるような人。
こんな人たちに感謝しながら、少しでも負担を減らせるようみんなが少しずつ施設をキレイに使う努力をしたなら、マシンや便利さに満足している人は多いのだから、chocozap事業はきっと成功する。そして日本人の健康維持に大きく貢献してくれると思います。
フレンドリー会員制度は、経費をケチるだけのRIZAPの怠慢か?
私はそう思わないが、でもきっとそう思う人もいて、それでも、もしフレンドリー会員さんと利用者みんなで「気持ちよく使える空間」が維持できたなら、それは誰からみても素晴らしいことじゃないか?
そんなビジネスモデルが成り立つ日本を、私は見てみたい。
chocozapの各店舗は小さなコミュニティだと思いました。
様々な人が参加するそのコミュニティを「自分たちが使う場所をキレイに」と思う会員たちの「愛」で回していけるのか?
それが可能である日本であってほしい。
そんな視点で、chocozapの成長を見守っていくとともに、私も会員になったら「ついで」のちょこちょこ掃除で「愛」を回していくつもりです。
RIZAPは迷走中で炎上したばかり💦
そんな中でこの記事を書くか迷いましたが、上に書いた気持ちは今も変わりません。
「愛」で回るコミュニティをぜひとも会員の力で実現し、「簡単、便利、安い」フィットネス環境が、なかなか動き出せない日本全国の健康初心者たちに届くといいなと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いただいたサポートは、夢の実現のために使わせていただきます 私の夢は 日本全国の学校・図書館に、漫画『宇宙兄弟』を寄贈すること https://note.com/arigatou_happy/n/n4b0d2854718c 一歩一歩かぺる(頑張る)しかない!(2023.3.21)