優しい時間。
空を見ていたら、
ふわっと身体が軽くなって、
光と共に風が吹いてきて、
思わず目を瞑ったら、
声がした。
忘れていた、父の声。
私の名を呼ぶ、優しい声。
目を開けたら消えてしまうと思って、ギュッと固く目に力を入れる。
それを振りほどくかのように、
額に風が吹く。
いつまでも聴いていたい、
父の声。
いつまでもこうしていたい、
あたたかな昼下がり。
おしまい。
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