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神社のあとは、ほくほくで

毎月参拝している神社がある。

家から1時間ほどの距離にある、富士山が眺められる場所。

近くはないけれど、行くだけで心地が良く、気分が良いのだ。
きっと相性が良いのだと思う。



参拝していると、本殿から太鼓の音が鳴り響いた。
ドン、ドンと鳴り響くその音は、身体に響き、心地よいリズムを感じさせてくれる。

神社には七五三で来られているご家族がいた。
おめかしした小さい女の子が可愛くて、穏やかな気持ちになる。
どんな味か思い出せそうで、思い出せない千歳飴。
あの子が、おいしく食べられますように。


無事に参拝を終え、帰り道に和菓子屋さんを見つけた。



和菓子はあまり食べないけれども、秋の気持ち良い風が後押しするように、店内に入る。


「いまは焼きたての人形焼がありますよ」


上品な店員さんから声をかけられる。

「じゃあ、それをお願いします」



わたしは「焼きたて」「揚げたて」に目がない。
パン屋さんの焼きたてパン、お肉屋さんの揚げたてコロッケ、美味しくないわけがない。
買うつもりがなくても、そのフレーズを聞くと、ついつい買ってしまうのだ。



あつあつの人形焼を包んでもらっている時間も、店内は焼きたてのあまい香りにふわっと包まれ、幸せな空間だった。



「本日中にお召し上がりくださいね」

最後まで穏やかで、素敵な店員さんだ。
また来月も立ち寄りたいお店の一つとなった。


あたたかい緑茶があればと思いつつ、なかったのでコンビニでコーヒーを。
近くのベンチに座って、早くこの焼きたてを味わいたい。

秋を感じさせてくれる風と共に、ほくほくの人形焼を頬張る。
なんて贅沢な時間だろう。


人形焼は絶妙なサイズ感


焼きたての美味しさを1番感じられる季節は、秋かもしれないな、なんて味わっていたら、4つも食べていた。


食欲の秋のスタート。
空を見上げると、紅葉がはじまっていた。


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