18巻の原稿作画おわりました😇
なんとか無事に ようかいとりものちょう 18巻全ての原稿が完成しました。やったぜ。
今回の「X(バツ)」シリーズからは、これまでと原稿の仕上げ方をかなり変えています。
これは「X(バツ)」シリーズは従来のようかいとりものちょうよりも文字数、行数が増える(更に全ての漢字にルビが付く)ので画面の文字密度を考えて自主的に誌面に適した絵のアップデートが必要と考えたからです。
■まず、これまでのシリーズよりも線を細くしたこと
→以前までは絵物語として絵のパンチが必要と思い、シーンによっては線をあえて太くしていました。文字量とのバランス的にもそれくらいでちょうど良いかな、と。
今シリーズは文字量が多く、そんな中で絵の線が太くなると画面の圧が凄いことになりそうなのであえて細くしています。
ただ、ようかいとりものちょうはバトル要素があるので線を細くした事で迫力が減ってしまったらどうしようというのが不安材料でした→割と画面構成と効果でなんとかなる。
■「乙(おつ)」シリーズまでグレー部分には薄墨とか水彩みたいな塗りムラを入れてたのですが、これをフラットなグレー単色(グラデを入れる場合もタッチを入れずフラットに)とカケアミで濃度調整をするようにしたこと
→これは紙にインクで印刷する関係上、紙にインクが滲む現象があるのでそれをどうコントロールするかという挑戦です。
文字量が多くなれば当然そこにインクが乗りますし、文字が薄く印刷されるのを避けるために調整していくと誌面の全体濃度はこちらが描いている時の想定よりも濃くなるはず…
なので、塗りムラを使って空間や面を埋めるやり方は今シリーズではできるだけ減らし、フラットなグレーとカケアミなどで画面を構成していく。
■夜だからと言って真っ黒にせず夜を感じれるように
→初期の巻は夜は暗く&黒く表現していたのですが、上記でも述べた通りインクと紙の滲み現象だったり色々あるので今シリーズは、なるだけ黒を使いすぎないで夜っぽさを目指す。
特に今巻の「水虎の池」で夜の水中戦はこうだったらどうだ、いやこうした方が良いかな…と、トライアンドエラーを繰り返しつつ今の最適解を目指して画面の表現方法を考えました。トライアンドエラーができるのがデジタルのいいところ。
他にもパターンブラシを使った背景(パターンブラシ自体は乙の頃に10巻の八苦喪戦や12巻の鞍馬山でも使っています)など、必要に応じてシリーズ毎に画面の作り方を考えています。18巻はかなり上手くいったと思うんですが、読者の評価はどうなるかな…毎回ドキドキしますね。
塗りミスとか絵関係での不備が無いように、私の見渡せる範囲で出来る限り細かい部分まで手を入れて、最初の提出での意見バックでの要望に応えて部分部分で効果などの描き足し描き直しも完了、提出。
あとは校正で何も起きませんように…
そしてこれは18巻作画の戦いの記録(作画配信アーカイブ)
で、18巻が完成したから暇ができるかどうかと言えば
って感じで次の仕事がはじまってます。
事務所に泊まって徹夜でお絵かきマシーンとしてドタバタ詰めてる時よりかは毎日家で寝たりご飯食べたりできて、人間らしい暮らしになった感じですね。
たぶんゲームしたりプラモ作ったり映画観に行ったりももうできるはず…できる…はず…
ん?
なぁに、このメール…
……
引き続き、頑張ります。