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my select50 vol.29「Miyawaki hand fan」
my select50 vol. 29 「Miyawaki hand fan」
第29回目は扇子です。
前回のビーサン含めて夏のアイテムが続いています。今回は、かばんやポケットに入れておくと便利で気軽に「涼」をとれる扇子です。
和物の服飾製品の中では、現代の生活で普通に使えるアイテムの筆頭格ではないでしょうか。
広げて扇ぐと涼しい風がきますし、たたむとコンパクト
持っていると「お年寄り」っぽいかもしれませんが、暑い夏はとにかく便利
私は、夏場いつも持ち歩いています。
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親骨•中骨・要は濃茶
男性用の扇子です。
京都の「宮脇賣扇庵」で購入
去年から使っています。
私は、扇子については、京都の「宮脇賣扇庵」と決めています。
扇子のブランドに詳しいわけではありませんが、京都の店に入って以来、気に入ってしまったので、ずっとここで良いかなと。
それくらい、宮脇賣扇庵の扇子は良いです。
私の場合、扇子は消耗品なので、基本的には1夏で1本というペースで使っています。
消耗が少なければ2シーズン使うこともありますが、扇面が紙なので、すり減ったりした物を使うと少しみっともないので。
扇子については、常に綺麗で清潔な物を持ち歩いた方が良いと思っています。
私は関東者なので、毎年夏前に京都に行くとは限らない。行ったときに数本購入し、家にストックしてあります。
※東京に支店があるらしいですが、行かない笑
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老舗らしい店構え
京都に行って宮脇賣扇庵で扇子を
買うという行為も楽しんでいます笑
宮脇賣扇庵は HP に詳しく書いてありますが、文政6年に創業とあります。
西暦だと1823年なので今年で200周年でしょうか。記念すべき年ですね。
老舗好きの私にはたまりません。
でも、文政は江戸時代ではありますが、古いお店の多い京都だと中堅くらいなのかな。
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ここの良さはなんといってもクオリティ。
扇子の製作に 87 回も職人の手を通るそうです。
工程については、20 程度に分かれ、大別すると扇骨作り、扇面作り、扇骨と扇面を組み合わせる仕上げ作業の3つ。
これらを全て国内で行い、その高いクオリティを保ちつつ、技術の継承と扇文化の普及に尽くしています。
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高級感あって良いです笑
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扇をかたどった素敵な紙が入っています。
なんのためにあるのか分かりませんが、
仕事が丁寧なのが伝わってきます。
デザインについては、老舗らしく基本的にベーシック
シンプルでありながら、京都ブランドなので、どこか雅ていて、瀟洒な雰囲気があります。
バリエーションはお店に行くと、高級なものから一般使いまで沢山置いてあるので、見ているだけで飽きませんし、好みの一本は見つかるかと思います。
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お祭りっぽくて気に入っています。
昨年は、先に紹介したトンボの扇子をよく使っていたのですが、今年は何故か山笠の絵が描いてある扇子を多用しています。
最初箱から出した時に「なんでこれ買ったんだろう?」と自分のセンスを疑ったのですが笑、使ってみると少しコミカルでお祭りっぽくて良い。
オッサン向けですな。
パナマハットかぶって、この扇子持って、蕎麦屋で蕎麦を啜ると「粋な、がらっぱち」ぽくていい感じです笑
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小さいタイプです。
家にあるストックから今年用に出したのが、この朝顔柄。
小さめなので、男女兼用の大きさだと思います。花柄が綺麗なので、どちらかというと女性用ですかね。
夏場は手ぶらで出かけることも多いので、扇子もできれば小さくてポケットに入る方が良いと考え、このサイズにしてみました。
朝顔がなんとも雅ている。細かいことは気にせず使っています。
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こちらも宮脇賣扇庵で売っています。
持ち運びにはカバーがあった方が便利です。
そうそう、最後にもう一つ宮脇賣扇庵の扇子の良いところを紹介します。
それは扇子を開くとほのかにただよう「お香」の香りです。
ふわっといい香りがします。
白檀や麝香をベースにした香りを扇面の竹の部分に香り付けしてから販売しているらしいです。
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開くとふわっと広がる「お香」の香り
最高じゃないですか。
このお香の香りは、もちろん扇いでいるときも漂ってきます。
それだけでも涼やかな気持ちになりますし、「京都だなぁ」と感じてしまいます。
先ほど、おおよそ1年周期で変えていると書きましたが、私の使った感じだとこの香りも1年程度で飛んでしまいます。
その視点からも1年ペースで変えていくのが良いのかもしれませんね。
扇子は、現代でも十分に機能性をもった伝統的な和物のアイテムです。
普段使われていない方は、宮脇賣扇庵でなくてももちろんいいので、是非持ち歩いてください。
みんなで「クソ暑ちぃなぁ今日は!」と啖呵を切って扇子を扇ぐのも乙ではないでしょうか。
※小田原の駅前商店街で蕎麦をやっつけた後に扇子で涼む私。パナマハットに開襟シャツと赤いパンツ。ちょっとしたチンピラですね。