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アフリカ大湿原で飯を食う ナイルパーチ編
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アフリカにはナイルパーチという魚がいる。名前の通り、ナイル川にいるパーチ、つまりスズキみたいな魚だ。とはいえ、ナイル川だけではなく、熱帯アフリカに広く分布する魚。
東アフリカのビクトリア湖にも移入され、現地では重要な漁獲対象種であると同時に、深刻な外来種問題の原因になっていたりもする。
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このナイルパーチ、軽く1mを超える巨大魚である。残念ながら今は手元にそんな写真がないので、私がトゥルカナ湖で釣ったこの20cmちょっとのナイルパーチで我慢して欲しい。
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日本にもアカメというナイルパーチに近い種類がいる。 これは高知県で釣ったもの。ナイルパーチもこんな風に大きくなる。
以前は幻の魚とされていたが、近年思ったより数がいることが分かり高知県では絶滅危惧種からも外された。
アカメは市場にも上がることがあり、とても美味しい魚だ。
そしてナイルパーチも同様に美味しい白身魚である。
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エチオピアの街で食べたナイルパーチ料理。
……と、エチオピア料理の写真を貼ったものの、ナイルパーチ自体は現地に行かないと食べられない魚ではなくて日本にも流通する魚なのだ。
一昔前まで弁当の白身魚のフライといえばナイルパーチだった。淡泊で癖がなく、美味しく安価な白身魚として多用されていたそうだ。
最近は、持続可能な東南アジアの養殖ナマズ(バサやパンガシウスの名前で流通)に代替されつつあるので、少し身近な魚では無くなってきた。
このような経緯で、この記事の読者の方もナイルパーチを実は食したことがある人も少なくないかもしれない。
そしてもちろん、原産地のアフリカでもナイルパーチは食用にはされている。レストランでナイルパーチを出すところも少なくないが、実は庶民的な魚というわけではない。
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もっともポピュラーな魚としての地位はテラピアに敵わない。丈夫でよく増え、味もそこそこ良く、とにかく安価。
アフリカのみならず、世界熱帯地域に移入され、世界で愛される庶民派淡水魚の代表格だ。もちろん、それだけ増えるので移入先で外来種問題に発展している場合も少なくないが、とにかく熱帯ならどこに行っても見かける魚だ。
テラピアについてはいずれ記事にしたい。
それはともかくナイルパーチだが、現地では食用にはなるが少し高級魚。どっちかというと海外への輸出向けに捕られている。
では、本当の現地ではどうなっているのだろうか。
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では、本当の本当に末端の地域ではどうなっているのだろうか。ナイルパーチ漁が盛んなビクトリア湖ではなく、ここではトゥルカナ湖北端のダサネチ族を取り上げてみたい。
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