禅語で実践! 「ありがとうのエンディングノート」 No.17
第4章 人生の最後に向けた準備編
テーマ:4-2 遺骨の管理・お墓について
タイトル:心安らかな場所への希望
解説
現代では、遺骨やお墓の管理についての選択肢が多様化しています。このセクションでは、自分自身や家族の価値観、宗教観、経済的状況を踏まえて、「こころ安らかな場所」への希望を具体的に記録します。
選択肢が広がった今だからこそ、遺骨の管理やお墓に関する意思を明確にしておくことは、家族にとって大きな助けになります。例えば、自宅供養で家族と近い場所に遺骨を置くことを希望する場合、具体的な場所や方法を記載しておくとスムーズです。また、永代供養墓などの費用や手続きについても事前に記録しておくと、家族に負担をかけることが少なくなります。
宗教的な価値観に基づいて儀式や参拝を大切にする場合、その具体的な内容や頻度についても触れておくと良いでしょう。このセクションを通じて、家族や親しい人々に「自分の望む形で送り出してほしい」という思いを伝えることができます。
解説の整理
1、遺骨の管理方法の希望
自宅供養、散骨、納骨堂など、希望する方法を具体的に記載。
2、お墓の選択と維持管理
永代供養墓や共同墓地などの選択肢について記録し、費用や手続きを
明確化。
3、家族へのメッセージ
お墓参りの頻度や感謝の気持ち、家族へ託したい思いを添える。
設問とその例
設問1、遺骨の管理方法について教えてください。
(アンサー)
例1: 「散骨を希望しますか?希望する場所はどこですか?」
例2: 「自宅で供養する場合、遺骨を保管する具体的な方法を考えて
いますか?」
設問2、お墓の選択肢について考えていますか?
(アンサー)
例1: 「永代供養墓を選ぶ場合、どのような供養方法が理想ですか?」
例2: 「共同墓地を利用する場合、どのような条件を優先しますか?」
設問3、家族や親しい人へのメッセージを記録しますか?
(アンサー)
例1: 「お墓参りにどのような気持ちで来てほしいですか?」
例2: 「供養に関して家族に伝えたいことはありますか?」
ヒント
・具体的に記録する
希望する遺骨管理方法やお墓の種類を明確に書き残す。
・家族との対話を大切に
家族と繰り返し話し合い、自分の思いを共有する。
・柔軟な考えを持つ
必要に応じて宗教観や家族の状況に合わせた選択を検討する。
・コストや手続きも記録する
お墓や供養に関する費用や必要な手続きも合わせて記載する。
・感謝の言葉を添える
家族や支援者への感謝を伝えることで、安心感をもたらす。
◎この項目を通じて、大切な人々に「心安らかな送り出し方」を具体的に伝え、家族に安心感と希望を届ける一助となるでしょう。
この項目に採用した禅語:
「春有百花秋有月」(はるにひゃっか あきに つき)
禅語の解説
「春有百花秋有月」という禅語は、春には花が咲き、秋には月があるという自然の営みを表現した言葉です。この禅語は、物事のあるがままを受け入れ、それを楽しむ姿勢を教えています。
遺骨の管理やお墓について考える際、この禅語は「今この瞬間の自然な流れを尊び、次の世代に安らぎを提供する」意味を含みます。例えば、遺骨を自宅供養する場合には、家族と共に過ごす時間を「春の花」のように慈しみ、散骨を選ぶ際には「秋の月」の静けさの中で自然と一体化する感覚を大切にできます。この禅語は、何か特別な選択を迫られるのではなく、「心安らかな場所」を見つける旅そのものを肯定するメッセージを伝えています。
この言葉を心に留めることで、遺骨やお墓の選択が単なる実務的な決定ではなく、家族との絆や次世代への贈り物として、深い意味を持つことが理解できるでしょう。
選出理由
この禅語は、遺骨の管理やお墓の選択において、心の安らぎや自然との調和を象徴的に表しています。遺骨やお墓の問題は、未来への責任や家族への配慮と深く関わっていますが、この禅語を選ぶことで、自然体で受け入れる姿勢が強調されます。
また、人生の各段階における「花」と「月」のような美しい瞬間に感謝し、それを次の世代に残していく精神を育むため、このテーマに最適です。
さらに、この禅語は、感情的な負担を軽減し、今ある環境や選択肢を尊びながら最良の選択をする指針を提供してくれるからです。
選出理由の整理
・自然との調和を象徴
春の花や秋の月が示すように、物事の自然な流れを受け入れる心を示唆。
・選択を安らぎの視点から促す
遺骨の管理やお墓の選択を心穏やかに進めるための精神的支柱となる。
・家族や次世代との絆を深める
現在を慈しみ、次世代に安らぎを提供する行動を後押し。
・感情的負担の軽減
遺骨やお墓の選択が深刻な負担ではなく、自然体での行動を尊重する。
◎このノートを記録する際は、「花」や「月」が持つ象徴的な意味について家族と共有し、どのような行動に結びつけたいか話し合うとよいです。
宗教的な観点が異なる場合もあるため、家族の意見を尊重する柔軟さが大切です。
最終的な選択が変わったとしても、この禅語が示す「あるがまま」の精神を基盤にすると、納得感のある結果につながります。
あとがき
禅語で実践!「ありがとうのエンディングノート」をお読みいただき、心より感謝申し上げます。
エンディングノートを通じて、ご自身やご家族の未来がより穏やかで安心できるものとなることを願っております。
このノートが、皆さまの心の支えとなり、絆を深める一助となれば幸いです。
柔海剛山