傷ついた心を知る②「私でいるとダメなんだ」
前回の記事では、
誰もが根底にもつ、
「見捨てられ不安」について書きました。
私たちにとってこの不安感は、
生きるために必要な感覚です。
でもこの、「不安感」を満たそうとする過程で
私たちは、
”本来の自分であってはならないという学習”
をする時があります。
それが
心の傷として残り続けることも知らず・・・
それぞれの価値観
たとえ話を一つさせてください。
「約束は絶対守らないといけない」
「約束を守らないなんて、許さない!」
そんな強い信念(思い込み)を持つAさんがいるとします。
いっぽうで、
「時間に間に合わないことがよくある」
「ドタキャンする」
「約束してたけど、優先したい予定が入ったから断る」
そんなBさんがいたとします。
というか両者ともよくいるタイプだと思うのですが、
この、絶対に
相容れないだろう価値観を持つAとBでは、
ケンカ勃発の日々間違いなしです。。
(えぇ~、Aさんがガチガチすぎるだろ…)
(いやいや、ドタキャンするとかありえんだろ…)
ちょっと極端な例かもしれませんが、
あなたにも価値観があるので、
いろいろ思うところがあるはず・・・
でもこれ、AさんもBさんも、
どちらが正しい、間違ってる、
って本当はないんですよね。
そうです、価値観が違うだけだから。
で、それで話が済むなら問題にならないのですが、
その、自分の当たり前だという価値観に
いつのまにか苦しめられているということが問題なわけです。
価値観のルーツを探る
ここでAさんの幼少時代について、
ストーリーを1つ・・・
仲のいい友だちと遊びにいったAさんは、
ついつい時間を忘れ、
門限である時間を破って帰宅しました。
すると、玄関を開けて「ただいま~」と母に言った瞬間、
「何時やと思ってんねん!!」
開口一番、激しく怒鳴られることに・・・
そこから数日間、口をきいてくれなくなりました。
不安不安不安不安不安・・・・・・
口を聞いてもらえない期間、
Aさんは学校の授業や
友だちとの会話にも集中できず、
ただただ不安な日々を過ごしました。
私が悪かった、
どうして門限を守れなかったんだろう、、
本当にごめんなさい、、
まさに、
見捨てられ不安が燻ぶられ、
毎夜母に泣きつき謝りました。
そんなこんなな数日間、
母がようやく顔を見て話しをしてくれるようになって、、
わぁぁっ…と今度は安堵の涙が溢れます。
そしてこれと同時に、学習するんです。
「約束を守る私でいなければ、私は認めてもらえない」
あなたの信念、それって本当?
よく耳にする体験であっても、
じつはあなたの心の傷となって
大人になっても満たされない気持ちを抱えて
生きている人は多いです。
というかみんなそうなのではないでしょうか。
だからこそ、
自分の中にやたらと強い信念(価値観や思い込み)を見つけたら、
そのルーツを知ることで
当時の自分をまずは認めてあげてほしいんです。
傷を掘り返してどうすんだ!
と思う方もいるかもしれません。
でもそのルーツを知って、
ちゃんと傷ついた自分を認識する。
その自分が良いも悪いもありません。
その出来事はあったけど、
それは「いま」ではないんだ。
その認識をします。
そして、
過去に、自己を守るために
隠していた、埋もれていた、消失してしまった、
「ありのままの自分」の存在を
「いま」のあなたが、
少しでも認めてあげてほしいんです。
「だいじょうぶ。もう怖くないよ。出てきていいよ。」
そう自分自身に声をかけてあげてくださいね。
自分を本当に助けてあげられるのは
いつだって自分ですよ。
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