お客様から信頼を得るために必要なこと【品質よもやまラジオ vol.4】
【品質よもやまラジオ】とは?
ARIでは毎週金曜日にポッドキャスト【品質よもやまラジオ】を配信しています!
このラジオでは、品質向上を軸にテーマに沿ってゲストとトークしています。
ここでは番組MC&ディレクター&編集のM.Yuukiが放送内容の振り返りやハイライト、編集後記を記載していきます!
MC紹介
ラジオのMCを担当するのは、この2人!
今回のゲスト&トークテーマ
今回はゲストに、ひとつのお客様と5年以上の関係を築いているI.Tetsuyaさんをお迎えして【信頼関係の構築】をテーマにトークしました!
本編
お客様とお付き合いしていくうえで重要となってくる【信頼関係】。
長きにわたってお客様と信頼関係を構築してきたI.Tetsuyaさんに、信頼を得るためのコツや、いろはを伺いました!
ー心がけている3つのポイント
M.Yuuki:
ズバリ、お客様と信頼関係を構築する際に大切にしていることはありますか?
I.Tetsuya:
「お客さんの期待に沿う」さらに上を目指すなら「お客さんの期待を超える」というところですかね。マネジメントを始めてから意識するようになりました。
その中で心がけているところが三つあります。
①一貫性を持つ、②リスケを悪いことだと思わず日程調整をすること、③顧客のキーマンと良い関係を築いて信頼していただく、ということです。
N.Yasuo:
うーん、なるほど。それぞれ興味深くて、詳しくお話聞いてみたいですね。
まずは「一貫性を持つ」って、どういうことですか?
I.Tetsuya:
パフォーマンスについてですね。うまいこと仕組みを作って、一定の成果が出るようにしています。特にメンバーの入れ替わりが発生して、経験者から若手に変わると、成果が落ちてしまうことが多いと思うんですよね。
常に最大のベストを尽くしているとお客様の期待値がどんどん上がってしまうので、そこをある程度想定してハードルが上がりすぎないようにしています。
N.Yasuo:
なるほどね。言い方によっては誤解を与えるかもしれないけど、決して手を抜いているわけではなくて、常に余裕を残すというか、ちょっと先を見て長期的に80点とか90点が維持できるようにコントロールマネジメントをされているってことですね。
I.Tetsuya:
そういうイメージです。
N.Yasuo:
常に120点を維持できるように頑張りすぎたら5年も10年もできないですもんね。「期待値のマネジメント」なんていうのはよくプロマネの世界で言われていますけど、まさにそういうことですよね。
あとはリスケのことも挙げていましたけど、これに関しても聞いていいですか?
I.Tetsuya:
お客様から「重要だから近日中に対応して」などと言われたら頑張ろうとするんですけど、どうしてもできないケースもあると思うんですよね。
そういう場合は、お客様へ早めにスケジュールの相談をした上で調整できれば被害も最小限で済み、人員を割く必要も無くなります。最初はそこができなくて苦労しましたね。
N.Yasuo:
悪いことほど相談するということですね。
I.Tetsuya:
そこに関しては、やっぱり業界的にお客様のホスピタリティがめちゃめちゃ高くて許容してくださるというか、むしろお客様から言ってくださる場合もあるのですごく助けられました。
N.Yasuo:
パートナーさんと向き合う時の姿勢としても参考になりますよね。ホスピタリティを持って接することによって「頑張ろう」っていう姿勢を引き出せますよね。
悪いことほど思い切って相談する、無理をしすぎないっていうのが長いお付き合いをする上で非常に大事なことになってくるんですね。
三つ目はキーマンから信頼を得るってことだったんですが、これも面白いですね。ぜひ聞かせてください。
I.Tetsuya:
顧客の方が信頼を置いているキーマンに理解・評価していただき、成果を出すことによって、顧客と直接やりとりするより弊社の良さを伝えていただけて徐々に信頼をいただけたんじゃないかなと。
N.Yasuo:
日頃しっかり向き合っている方との姿勢・やりとりを見て、顧客も判断することが多いということですね。
直接的に「私を信頼してください」と言うより、周りに言ってもらうことが一番信頼を得やすいっていうことでしょうか。非常に示唆深いお話でした。
ー「PMは社長だよ」に込められた考え
M.Yuuki:
この三つに気付いたタイミングやきっかけはあったんですか?
I.Tetsuya:
色々失敗してきたからだと思います、最初からできていたわけではないです。長年やらせていただいた中で振り返って考えてみたところ、この三つが大事だったのかなと。
N.Yasuo:
今だから言える、失敗エピソードはありますか?
I.Tetsuya:
最初の頃は結構失敗していました。「〇/〇にリリースする」と言っていたのに間に合わないことが多々ありましたね。
N.Yasuo:
やっぱりちょっと頑張ろうとしちゃいますよね。お客様側から「相談してください」っていう雰囲気を作っていただいた感じですか?
I.Tetsuya:
そうですね、そこは言っていただいていましたね。
それでも最初の頃はなかなか相談できませんでした。
今振り返ると申し訳なかったですね。
N.Yasuo:
そこを思い切って「言っちゃおう」って思ったタイミングやきっかけってあったんですか?
I.Tetsuya:
最初の頃は上司にフォローしていただいている中で「そんな感じでいいよ」とて言っていただけたのがきっかけだった気がします。
N.Yasuo:
チームでコミュニケーションして、PMを支えていく雰囲気が大事ですね。
GOODコミュニケーションは誰でも話しやすいけど、BADコミュニケーションも必要ですよね。
I.Tetsuya:
そうですね、最初の2~3年はN.Yasuoさん含め色々な人に助けられましたね。
N.Yasuo:
PMは個人プレーなイメージがある方が多いと思いますが、実は「最も1人でやってはいけない仕事」ですからね。みんなで一つのお客様やPJに向き合っていくという事が、I.Tetsuyaさんのチームではできていたのかなと思いますね。
I.Tetsuya:
以前、N.Yasuoさんから「PMは社長だよ」って言っていただいたことがあって「確かに!」と思えたので、それがきっかけに考えや行動が変わったかなと思います。
N.Yasuo:
これだけ聞くと「PMは好き勝手に唯我独尊でやっていいんだ」って勘違いするかもしれないけど実は逆なんですよね。
社長という立場は、想像以上にいろんな制約があるんですよ。好きなように経営なんてできなくて、外部には金融機関や銀行があるし、公開企業であれば株主もいるし、当然部下や幹部の意向に反して好きなことをやっていたら離れていきますからね。社長って人一倍、色々なことを考慮して気を遣いながらやってるんですよね。
そういう観点で責任と権限のバランスを持ってもらうっていう意図があって発言したんですが、I.Tetsuyaさんがそう思ってくれていたのは嬉しいですね。
I.Tetsuya:
あのときは助けていただきありがとうございました。
ープロジェクトは合コンと一緒?!
M.Yuuki:
質問もいくつか来ているので紹介します。
N.Yasuo:
結局は人間関係の作り方だから、色々なバリエーションがあるわけですよね。飲みニケーションを通じて仲良くなる人もいれば、I.Tetsuyaさんみたいに毎日の業務の中で信頼関係を作っていく人もいたし、相手に合わせることと自分の得意なスタイルを常にかけ合わせながらやられていたと思います。
I.Tetsuyaさんが言っていたことに近いですけど、やっぱり1対1じゃないということですよね。例えば恋愛関係だと「私」と「あなた」の関係になるけど、プロジェクトは「私」と「あなた」だけの話ではなくて、常にn対nの合コンが開催されていて上手くいくようにするみたいな。(笑)
自分がカップルになれるかどうかがゴールじゃなくて、自分がカップルにならなくても全体が盛り上がって複数のカップルが成立するくらいの雰囲気作りができると、自分と相手の責任者の仲が深くならなくても、その会はうまくいくと思います。
会がうまくいくと幹事同士は達成感が得られますよね。その感覚は結構大事かなって思います。I.Tetsuyaさんはどうですか?
I.Tetsuya:
先輩や上司とか他の人がうまくやっている部分に関しては「なるほど、そうやっているのか」と思って真似してみて、逆にうまくいっていない部分は反面教師として気を付けていますね。特定の誰かを参考にしているっていうのは私もないかもしれないですね。
ーBADコミュニケーションを共有できる環境作り
M.Yuuki:
続いて、こんな質問もきてたので紹介します。
I.Tetsuya:
私自身、ARIに入社してから色々と気を付けるようになりましたね。最初のころはプロジェクトに追われて全然できていなかったので反省していますが、最近は余裕もできたので新卒や新メンバーに関しては直接会話できるような機会を設けて状況のヒアリングや雑談をしています。
話しかけづらいと思う若手メンバーも多いと思うので、僕から会話して喋りやすい雰囲気を作るように気を付けていますね。
M.Yuuki:
そうしていただけると若手メンバーもコミュニケーション取りやすいし、なにかあったときに報告しやすい環境にもなりますね。
I.Tetsuya:
特にコロナ禍以降は在宅勤務が増えて会話する機会が少なくなってしまったので、定期的にそういった時間を設けています。
プロジェクトメンバーならいいですけど、そうでないメンバーなら尚更ですね。
N.Yasuo:
「自分が大切に扱われている」と感じないと、その人に心を開くことは難しいですよね。人間誰しも大切に思われたいわけで、自分のことをちゃんと大切に思ってくれているっていう、何か目印があったらいいんですけどね。
I.Tetsuya:
相手に届いているかわからないですけどね。(笑)
N.Yasuo:
モチベーションが高かったり自分自身が盛り上がっていたり、自分がうまくいっている時はコミュニケーションってそんなに必要無いじゃないですか。けどストレスがあったり困っていたり、そういう時にこそ必要だと思うんですよね。そこを察することができるか、「話聞いてもらっていいですか」って話しかけてもらえる関係性を作れるかどうかが一番大事なんだろうな。
I.Tetsuya:
なかなか難しいですけどね。
N.Yasuo:
もちろんうまくいっていることを聞いてあげる時間も必要だけどね。けど困っているときに頼りになれないと、そこでふと思い出してもらえる存在になれるかどうかが大事だなって思いますよね。
M.Yuuki:
お客様との関係性でも同じことがいえますよね。
N.Yasuo:
ほんとにそうだね。もちろん契約とか営業的な話で、できないことを「できる」って言うのはよくないけど、やっぱりお客様が困っているわけだから、困っている人に対して何か提案する、声をかけるというのができるといいなって思いますよね。
画一的な製品というより、形の無いものを僕たちはご提供しているので、困っているときに思い出してもらえる、呼んでもらえる、そういう関係でありたいなと思いますね。
編集後記
私自身エンジニア時代はお客様と直接やりとりをする機会が無かったので、最初はあまりイメージができませんでした。しかしI.Tetsuyaさんのお話を聞いて参考になることも多く「なるほど!」と感じることばかりでした。
どんなプロジェクトも結局は一つ一つの積み重ねであり、その結果がお客様との信頼関係構築につながったような気がします。良い関係のまま、長く続いていることは素敵なことですね。
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