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never leather ブランドローンチイベント
2024年。
"永久ではない”という、地球へのやさしさを謳うブランドが誕生した。
その名は、never leather。
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ざらっとした特徴的な手触りと、
柔軟で軽量な素材感。
never leatherが作るアイテムはすべて、
廃棄されるはずだったココナッツウォーターから出来ている。
今、話題の植物由来のヴィーガンレザーだ。
2024年3月、東京 銀座でブランドローンチパーティが行われた。
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ー never leatherが出来上がるまで
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南インドのケーララ州小規模ココナッツ農家や
加工業者から廃棄されるココナッツを回収。
微生物の力を借りて発酵したココナッツウォーターは、
私たちがよく知るぷるぷるのナタデココになる。
その状態になったら、麻やバナナの茎、天然樹脂を加えてまぜまぜ。
アイテムの優しい色合いは、インドの草木によって生み出される。
その後、木枠に流し込み
南国の日差しの下で自然乾燥。
そして、日本の工場で製品に形を変えて
必要な人の元へ。
ー インドで直面した、ココナッツが抱える社会問題
never leatherが誕生したストーリー。
そこには、あまり知られていない、
ココナッツが抱える問題があった。
never leather代表の中川雅里名さん(エシカリージャパン合同会社代表)は、
パートナーの仕事の関係で駐在したインドでココナッツと出会う。
インドは、世界第三位のココナッツ栽培国。
南インドでは、ココナッツの木が多く自生しており、
Land of Coconut「ココナッツの大地」と言われている。
気温が高いこの国で、生活に欠かせない
栄養価の高いココナッツウォーター。
しかし、食品や飲料用や工業用以上に余った
毎日数千リットルのココナッツウォーターは、大量に廃棄されている。
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そして、水質汚染や土壌の酸性化の原因にもなっているそう。
大量廃棄、地球環境汚染。
その上に「おいしい」ココナッツがある。
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さらに、中川さんはインドの皮革加工産業の実態についても、
教えてくださった。
インドの皮革加工産業の約90%はインフォーマル経済*。
従来の牛革を製造・輸出するために、
化学薬品や化学染料を用いたなめし(鞣し)などの工程が、
スラム街の一角で行われている。
重労働かつ有害な薬品を扱うにもかかわらず、
スラムの労働者はごく軽装や裸足で長時間低賃金で働かざるを得ない状況。
そうやって作られた安い牛革が、日本やタイに届いているのだ。
地球環境破壊だけではない、労働者の人権の問題が
そこにはあった。
ー ココナッツレザーとの出会い
”この世界には、虐げられている人たちがいる。
今、現在、世界に不平等があることが居心地が悪い。
自分が心地いいものを、自分で作りたい。”
そんな思いがココナッツレザーと中川さんを引き合わせる。
世界にココナッツレザーを広める活動を行う
インドのMalai Biomaterials社と出会うのだ。
Malai社の代表と意気投合した中川さんは、
日本にココナッツレザーを広めようと決意。
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ー 簡単にはいかない、ココナッツレザー作り
never leather のアイテムを作る時に最も苦労したこと、
それは、日本での工場探し。
アップルレザー、サボテンレザー、ついにはキノコを使ったものまで
植物由来のレザーは次々と生まれている。
しかし、レザーといえども
牛革とは似て非なるもの。
硬さや柔軟性など、加工方法も変わってくる。
never leather で使われるレザーは、
Malai社の小規模工場で、10名の職人が一枚一枚製造している。
多くの工場から門前払いを受け、
0から商品を作ることの難しさを味わったそう。
現在、提携している工場は
ヴィーガンレザーの扱いに慣れているところ。
端材が極力出ないように加工することにも理解がある。
今回のローンチパーティで配られたブックマークも
端材から作られたものだそうだ。
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少なからず、レザー業界にもサステナブルな風は吹いているようだ。
ー ”さよならの作法“ 作る責任を持つこと
never leatherは使って終わりではない物作り、
土に還すところまで責任を持つことを大切にしている。
ものは、どんな形であれいつか手放す時が来る。
環境省によると、令和3年度の日本のごみ総排出量は4,095万トン(東京ドーム約110杯分)。
そのごみは、埋め立てられ何年も地下で眠り、また排気ガスとなって地球を傷つける。そして、回り回って私たちの未来も、、。
私たちは、このまま新しいものを次々と消費し、廃棄していていいのか。
手放し方を考えること。
それは、私たちの責任でもある。
never leather は地球に優しい、新しい手放し方を提案している。
それが、"さよならの作法"。
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茶道の世界でも使われる「作法」という言葉。
これには、美しく立ち振る舞うという意味が含まれている。
never leather のアイテムは
使い終わった後は、土に還り次なる命を育む。
モノとしての役目を終えて、次にバトンを繋ぐ。
そんな循環を選択することが、美しい立ち振る舞いである。
そんなことを思わせてくれる提案だ。
使い古したアイテムは
細かく切って、自宅でコンポストするか、
郵送してアップサイクルやコンポストをお願いする。
または、はさみで切ってしおりやコースターに変えてみるのもあり。
どれも美しい「作法」だ。
会場では、土に還る過程を
実際に使用しているコンポストを使って見ることができた。
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never leatherのアイテムは、
ココナッツ100%で作られ、
素材の染色も植物性のものを使用、装飾も極力シンプル。
有害な化学物質は一切使用していないため、
細かく切ってコンポストすることで、
90~120日で生分解し始め、ミミズが食べる。
(さよならの作法より抜粋)
ー どんなシーン、人にもなじむデザイン
never leatherのアイテムの特徴。
それは、シーンレスでジェンダーレス。
素材の色味を活かした落ち着いた色展開。
ブランドロゴが目立ちづらい、エンボス加工。
このどんなシーンにも、人にもなじむデザインには、
中川さんのこんな思いが込められている。
” エシカルに高い関心を持っている人は、
30~40代の女性が多い。
社会が変わるには、男性の賛同も必要。
エシカルをビジネスシーンにも根付かせたい。”
現在の商品展開は、
名刺入れ、キーケース、ノートカバーに小物トレイ*。
* 新商品として発売予定。
どれも、男性も持ちたくなるアイテムだ。
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ー ヴィーガンレザーのこれから
ローンチパーティでは、
今後のヴイーガンレザーについてのトークショーもあった。
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植物性のレザーの一役を担っているのが、
微生物。
微生物が持つ発酵の力は、
植物を製品にするときや土に還す時に
形を変える手伝いをしてくれる。
今後、研究が進むことで
私たちに驚きと未来への期待を与えてくれる
新素材が次々と生まれていくだろう。
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ヴィーガンレザーはユニークだ。
リンゴから?サボテンから?ココナッツから?
その情報は、私たちの好奇心を駆り立てる。
しかし、そのユニークさが独り歩きし兼ねない。
ユニークだから、オシャレだから。
そんな一時的な理由ではなく、
長期的な理由で購入するには、
そのアイテムが生まれた背景を知ることが大切。
地球環境や作ってくれる人への持続的な配慮がないと、
永久はない。
それは、モノを生み出す時だけではなく
手放す時も。
never という言葉を使って、
そのことを教えてくれている気がした。
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