Poem)こんな夜には、…
今日は何を話そうか。
そうだそうだ、この間忘れていた
あの話、どうもあなたと面と向かうと
あれもこれも話したくなって。
その前にお茶だお菓子だと、
いろいろいろいろ持ってきたくなって
せっかく来てくれたのだから、
一番美味しいものを
あれこれ出してきて、
さあさ、準備ができた、
まずはお茶をどうぞ、
これは美味しいね。
なんてやっているとまた仕事の時間、
子供が帰ってくる時間。
だからだから、毎日が盛りだくさんで
また、あなたとたくさん話したくなるんだ。
さてさて話し出そう、
そこへ猫がにゃーと寄ってきて
かわいいなと愛でだして
また、このお茶美味しいねと
お茶菓子バリバリお茶お代わり。
いやいや、ところでところで
今日は『利他』という本を読んだよ。
ああ、あれ読んでみたんだね。
エゴからの脱却について考えてみたのさ、
エゴ脱却は、以外にできるものかもねと。
おおなんてことを簡単に言うのか
お茶が溢れてしまった、
で、どうやって。
自分の境界を外すことだとね。
またまた容易でないことを簡単に言うもので。
うん、例えばね、
大きな壁にペンキを塗っていったり、
誰かと合唱するような共同作業を
思ったりするのさ。
たんたんと均一に、いつ終わるともしれない一面の壁に、ペンキを塗っていく。
或いは、一緒にどんな音をだしたら
伴走しあえるかなと集中して、心の雑念を取り払うんだ。
ああ、それはなんてスリリングでワクワクして、ふわふわして、くすぐったくて温かくて
楽しいだろうね。
そうなんだよ、
広大な雪原のような無の境地に向かう時、
或いは、相手の音とこの上ない最上のトーンでハモる時、
至福の世界が拡がるのさ。
それは相手を生かし、自分を生かし、時間を生かすのだ。その時はエゴなんて消えてなくなるのだよ。
つまらないエゴは、この反対。相手を凍えさせ自分を狭め、時間を殺す。
利他こそが、裕福な命を育て、未来の聖地に立てる通路だ。
おお、今日は荘厳なことを言うね。
まあね、エゴは下向きだと強まるんだ、
あとね、できることばかりやっとると、エゴは強靭な鍋底のこびりつきみたいになっていくんだよ。
時々、できないことをやってみるのはいいよ。歯がたたないことをやろうとするのだ。こてんぱんさ。エゴがごめんなさいと逃げていくよ。
そりゃそうだろうね。
わかる気がするよ。慣れると得意になるからね。
コロナで仕事が変わってばかりでね、どこへいっても初心者マークさ。それまでのエゴなんてどこかへいってしまうよね。
それはそうだ。
それにしても、見てごらん、夕焼けがきれいだね、あの色を目に心にに焼き付けておきたいものだね。
どこから集めてきたのか。あの色というもの。
人の思いというのがね、一日中の、世界中のね、特に人への愛というもの、それが一日の夕陽に吸収されるのだと聞いたことがあるよ。
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