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二項級数binomial seriesと一般のべき

二項級数binomial seriesと一般のべき   二項展開 $${{{\left( 1+x \right)}^{k}}=1+\sum\limits_{n=0}^{k}{\left( \begin{matrix}k \\n \\\end{matrix} \right)}{{x}^{n}}}$$ はよく知られた式である。係数$${\left( \begin{matrix}k \\n \\\end{matrix} \right)}$$ は二項係数と呼ばれパスカルの3角形など

    • Vitali の被覆定理

      Vitali の生涯についておしえて 🗒️ Answerジュゼッペ・ヴィターリ (Giuseppe Vitali, 1875年 - 1932年) は、イタリアの数学者であり、特に解析学と測度論において重要な業績を残しました。彼の業績の中でも最も有名なのは「ヴィターリ集合」と呼ばれる集合の発見です。ヴィターリ集合は、実数の集合に対するルベーグ可測性の限界を示すものであり、数学における非可測集合の概念を明確にするのに貢献しました。 ヴィターリはイタリアのラヴェンナで生まれ、ボロ

      • 正則空間におけるUrysohn のレンマ

        正則空間におけるUrysohn のレンマ   定義:($${{{T}_{2}}}$$)位相空間がハウスドルフ空間であるとは、$${x\ne y}$$ なる任意の2点を分離する近傍$${{{U}_{1}},{{U}_{2}}}$$すなわち、 $${x\in {{U}_{1}},y\in {{U}_{2}}}$$ ,$${{{U}_{1}}\cap {{U}_{2}}=\phi }$$ となるものが取れることである。 定義:($${{{T}_{4}}}$$)位相空間$${X}$

        • メービウス変換が織りなすシュタイナー円周族

          半径$${r}$$の円$${C}$$の外点$${P^{'}}$$から$${C}$$へ接線を引き、接点$${T}$$ から直線$${OP{'}}$$に垂線を落としその足を$${P}$$とする。 △$${OPT}$$と△$${OPT^{'}}$$は直角3角形で互いに相似になっている。 OPの長さxOP'の長さ=$${r^2}$$である。 このときPとP'はCに関して対称(inverse反転)であると言われる。 また、円$${C}$$は$${P}$$と$${P^{'}}$$を極限値

          メービウス変換の円円対応

           メービウス変換の表示は一次分数式のほかに非調和比による方法がある。メービウス変換は円を円に写像する。ただし、直線も円と考える。つまり、無限遠点∞を通る円。 複素数$${a,b,c,d}$$ と複素変数$${z}$$について $${S\left( z \right)=\frac{az+b}{cz+d}}$$ という形をした写像を一次分数変換と呼ぶ。 また、特に$${ad-bc\ne 0}$$ をみたすとき $${S\left( z \right)=\frac{az+b}{c

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          掛け算作用素のスペクトラム

          掛け算作用素のスペクトラム   実数直線のある区間$${\left[ a,b \right]}$$ で定義されたルベッグの意味で2乗可積分な関数の空間を$${{{L}^{2}}\left[ a,b \right]}$$とおく。すなわち、$${f\in {{L}^{2}}\left[ a,b \right]}$$は$${{{\int_{a}^{b}{\left| f\left( x \right) \right|}}^{2}}dx<+\infty }$$ を意味する。これは暗黙

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          シフトのスペクトラム

          シフトのスペクトラム $${n\times n}$$行列$${A}$$ と$${n}$$次ベクトル$${v\ne 0}$$ が存在し、$${Av=\lambda v}$$を満たす複素数$${\lambda }$$があれば、この $${\lambda }$$は固有値、$${v}$$ は固有ベクトルと呼ばれる。これを式 $${\left( A-\lambda I \right)v=0}$$と書き直すと、この関係は $${A-\lambda I}$$には逆が存在しないことを示してい

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          局所コンパクト空間locally compact spaces

          局所コンパクト空間locally compact spaces   $${X}$$ を集合として、$${X}$$の部分集合からなる族$${\mathcal{S}}$$ の要素がつぎの3条件を満たしているとする。 (1)$${\phi ,X\in \mathcal{S}}$$ (2)$${\mathcal{S}}$$の任意個の要素の和はまた$${\mathcal{S}}$$に属する (3)$${\mathcal{S}}$$の有限個の要素の積はまた$${\mathcal{S}}$

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          HahnーBanach拡張の一意性の条件 strictly convex

          HahnーBanach拡張の一意性    定理:(Hahn-Banachの拡張定理) $${X}$$を線形ノルム空間とする。$${Y}$$ を$${X}$$ の部分空間とする。このとき、$${g\in Y'}$$に対して、$${f\in X'}$$ が存在して、$${f\left| Y \right.=g}$$ かつ$${\left\| f \right\|=\left\| g \right\|}$$となる。 $${f\left| Y \right.=g}$$という記号は、

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          球面の弱位相による閉包は球そのものになる。

          球面の弱位相による閉包は球そのものになる。     $${X}$$ をノルム空間とする。球面$${S=\left\{ x\in X:\left\| x \right\|=1 \right\}}$$に属する点列$${{{x}_{1}},{{x}_{2}},\cdots }$$ が$${y}$$ にノルムの意味で収束したとする。すなわち、$${\left\| {{x}_{n}}-y \right\|\to 0}$$とする。このとき$${\left| \left\| {{x}_{n

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          Korovkinの近似定理

              Korovkin の近似定理 K.Weierstrass1885は熱伝導方程式の解を考察中に有名な多項式近似定理を発見した。また、S.N.Bernsteinは確率論の手法を用いて、Weierstarassの多項式近似定理の直接証明を与えている。これらの結果は作用素論の立場から統一的に述べることができる。 定理1 Korovkin 1953 区間$${\left[ a,b \right]}$$で定義された 連続関数の全体$${C\left[ a,b \right]}$$

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          位相空間を用いた素数無限個の証明

                集合$${X}$$ に次の条件 (i),(ii),(iii)を満足する$${X}$$ の部分集合の族$${\mathcal{O}}$$が指定されているとき、$${X}$$に位相が定義されたという。 (i)空集合$${\phi }$$ および$${X}$$自身は$${\mathcal{O}}$$に属する。 (ii) $${\mathcal{O}}$$の任意個の集合の合併(和集合)は$${\mathcal{O}}$$に属する。 (iii)$${\mathcal{O}}

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          Stein の補題(正規分布の特徴づけ)

          Stein の補題(正規分布の特徴づけ)   部分積分をおこなうと $${\int\limits_{-\infty }^{\infty }{f'\left( x \right){{e}^{-\frac{{{x}^{2}}}{2}}}}dx=\left. f\left( x \right){{e}^{-\frac{{{x}^{2}}}{2}}} \right|_{-\infty }^{\infty }+\int\limits_{-\infty }^{\infty }{xf\le

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          関数解析学への道程-----

          関数解析学への道程----- 1.線形位相空間$${X}$$ においてその位相が$${\rho \left( x,y \right)=\rho \left( x-y,0 \right)}$$をみたす距離$${\rho }$$ により定められており、その距離に関して完備である場合$${X}$$ は$${F}$$ 空間(フレシェ空間)と呼ばれる。 線形位相空間$${X}$$ 上の擬ノルムquasi-normとは、非負実数関数$${q}$$ でつぎを満たすものである。 (a) $$

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          近似誤差とMuntzの定理

          近似誤差とMuntzの定理   $${X}$$ を内積$${\left( x,y \right)}$$ が定義された空間(たとえばヒルベルト空間)とする。$${E\subset X}$$ を$${X}$$ の部分空間としたとき、$${x\in X}$$の$${E}$$からの最良近似$${y}$$というのは、すべての$${z\in E}$$ に対して $${\left\| x-y \right\|\le \left\| x-z \right\|}$$ をみたす$${y\in

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          ある行列式の計算

          ある行列式の計算 Muntzの定理を証明するのに必要となった公式の計算をする。近似理論では誤差を行列式で評価できる。式が横に長くなるのでスマホで見る場合は横にして見てほしい。 $${{{\Delta }_{n}}=\left| \begin{matrix}\frac{1}{{{a}_{1}}+{{b}_{1}}} & \frac{1}{{{a}_{1}}{{b}_{2}}}&\cdots & \frac{1}{{{a}_{1}}+{{b}_{n}}} \\\frac{1}

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