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地域の挑戦者インタビュー Vo.3 滝口 翼さん

今回お話を伺ったのは、地域での活動に興味を持ち、大学時代にインターンをはじめ様々な機会に参加されてきた滝口翼さん。大学二年生の時には藤井さん(NPOエリア・イノベーション代表)のコーディネートでインターンをしていました。現在は、地元の東京を離れて、インターンをしていた地域の自治体で働いています。

地域での活動に興味を持ったきっかけや、インターンで印象に残っていること、地元の東京を離れてインターンをしていた自治体に就職した際の想いなどをお話していただきました。キーワードである「繋がり」や「関係性」に注目してお読みください(インタビューアー インターン生 高木)

滝口 翼さん 1998年東京都生まれ。東洋大学国際学部に入学し、地域づくりや観光を学ぶとともに、能登や瀬戸内海 笠岡諸島、島根県の海士町にて、インターンシップや留学といった形での実践を経て、インターンシップ先の自治体に入職し、現在は、子どもに関わる業務を担当。また、インターンでお世話になった方が代表を務めるフリースクールにボランティアスタッフとして関わる。

大切なものは形式上の事実ではなく、人と人の繋がり


〇地域での活動に興味を持ったきっかけをお聞かせください。

生まれも育ちも東京で、両親の実家も東京でした。東京の外に出る機会が今までなかったため、地域に興味がありました。そのため、大学の学部もまちづくりや地域活動に取り組める学部を選びました。


〇地域での活動はいつ頃から参加し始めましたか。また、その内容をお聞かせください。

大学一年生の時です。ゼミで募集していた研修で、能登半島を訪れました。
内容は、地元の学生が開催するお祭りのサポートをするというものでした。


〇印象に残っている出来事があればお聞かせください。

盆踊りを踊っている最中に、機材トラブルで音楽が止まってしまうというハプニングがありました。そのハプニングが起きたのはお祭りの終盤であったため、住民の方や町内会の方は帰り始めてしまいました。地域に伝わる大切な踊りだったため、婦人会の会長は必死に引き留めたものの上手くいきませんでした。そこで、婦人会の会長と友達と私の3人で盆踊りの続きを踊りました。その時は「僕らだけでも参加しよう」という気持ちでした。


〇この出来事を経て何か考え方は変わりましたか。

お祭りに参加はしているものの、地域に伝わる大切な盆踊りに最後まで参加しないという状況を見て、「形だけでお祭りをしていても、みんなに想いが伝わっていないんだな」という気持ちになりました。
この経験を経て、「とりあえず参加する」という形式上の事実よりも、地域住民同士の意思疎通など「深い繋がり」が重要だという考え方になりました。

地域活性化のためには、地域住民との関係性を作ることが大切


〇この次に参加した地域の活動についてもお聞かせください。

大学二年生の時に、岡山県笠岡市の島で1か月間住み込み型インターンに参加しました。先ほど申し上げた通り、地域の活動に携わる学部であったため、必須の単位としてボランティアやインターンがありました。「短期間で学べることは少ないのではないか」「地域住民と関われるインターンは楽しそう」という想いから、長期間かつ住み込み型で地域の方々と関わることができる笠岡のインターンに参加しました。知らない土地で1か月過ごすことはかなりハードルが高く、自分にとってかなり大きな挑戦でした。

笠岡諸島でのインターンで自己紹介をする滝口さん

〇笠岡でのインターンについてもう少し詳しくお聞かせください。

内容は、「島の体験交流プログラムを作る」というものでした。島には、個性豊かなおばあちゃんがたくさんいらっしゃいました。うどん作りが上手い方や、美味しいお好み焼きを作る方、釣りがとても上手い方など。おばあちゃんたちは、用意されたよくある観光地の接待ではなく、ナチュラルに私たちを受け入れてくださり面倒をみてくださいました。そこで、体験交流プログラム作りのアウトプットとしては、そういうおばあちゃんたちに面倒を見てもらうツアーを提案いたしました。おばあちゃんたちがよく面倒をみてくださったため「この方たちに何か恩返しをしたい」という想いでした。

〇このインターンでどのようなことを学びましたか。

能登半島の研修でも、人と人との繋がりが大切なことを実感しましたが、このインターンでも、「地域活性化のためには、住民と関係性を作っていくことが大切」ということを学びました。
 その地域の住民と関係性を持てば、「この人にまた会いに行きたい」という感覚が芽生え、その地域を再び訪れる人が増えると思います。ただ単にその地域の歴史を学ぶより大切なことだと思います。

〇他にはどのような地域の活動に参加しましたか。

大学三年生の夏に、「島留学」の研修・視察を目的に島根県隠岐郡の海士町を訪問させてもらいました。「島留学」は、様々な地域から来た人が島の寮で生活するという内容でした。印象に残っていることとしては、研修参加後も、海士町の研修や調査等様々な形で関わった人たちとオフ会をしたことです。ただ島に行ったから終わりというだけではなく、参加後も関係性が保たれました。

「わくわくするかどうか」という軸で地域への移住を決意

〇現在はインターンをしていた地域の自治体で勤務されているとのことですが、その経緯をお聞かせください。

地域の方との繋がりを大切にしていたということもあって、インターン後も何度かこの地域に訪問をしていました。また、訪問を重ねる内に、その地域の方々が様々な社会活動に取り組まれていることを知ることができました。
「お世話になった人がいる地域で働きたい」「社会活動に携わる人を支援したい」という想いや、元々公務員志望であったということから、この地域で働くことを決めました。


〇様々な挑戦をされている滝口さんですが、一番挑戦したといえることをお聞かせください。

東京を離れて今の職場付近に移住したことです。正直、直前まで悩みました。
 移住の決め手は、「自分がわくわくするかどうか」です。
 ゼミ活動で、大企業を離職し、地域に移住して活動している方をインタビューしました。その際、「事業を行うか行わないか迷った時の最後の判断材料は、自分がわくわくするかどうかだ」というお話を伺いました。「自分がわくわくするか」という軸で決意を固めることは大事なことだなと感じました。
 いつもと変わらない地元の景色を見て働くのと、新しい景色で新しい刺激をもらって仕事をするのでは、後者の方がわくわくすると考えました。だからこそ地元の東京を飛び出し、地域の自治体に就職しました。

〇最後に、様々なことに挑戦する中で意識していることをお聞かせください。

固定概念を持たず、「とりあえずやってみる」ということです。固定概念持つとそこにしか目がいかなくなってしまいます。固定概念や先入観が何も無い状態で行って、自分なりに相手や地域のことを理解することを意識していました。

「とりあえずやってみることが大切」と語る滝口さん

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