【完全無料記事】RB大宮は時間とスペースを支配できるか?鍵を握るBoS理論のこと。
〜3月7日 16:00
レッドブルグループにユルゲン・クロップ氏が来た。
モダンサッカー3.0の書籍に書かれている戦術的アップデートでいえば2.0と呼ばれる世代の代表格的な監督だ。
グアルディオラが生み出した『ボールが時間とスペースを支配する』、だからこそボールはキープすれば良いという理論のもと、様々なクラブがポゼッションに舵を切った。
大宮アルディージャも源流こそトータルフットボール、オランダ流バルサ式サッカーを基礎として組み上げられたようなものだ。
結果は言うまでもない。。。
そしてグアルディオラはボールを保持することに重きを置いたが、考え方は同じでも逆に動いた監督がいる。
それがラルフ・ラングニックだ。
彼の場合はボールを奪うことを求めたのだ。
当たり前の事じゃないかと思われた方は、恐らく幸運なことに近代的なサッカーを目にしている人と思う。
前線からのプレスはもともと『ボールを奪うため』にあらず、『攻撃を停滞させるため』のプレスが基本だったが、ラングニックがその常識を壊した。相手を突き飛ばすほどの勢いで、ボールをとにかく前線から奪う。
こうしてラングニック一派としてユルゲン・クロップ、トーマス・トゥヘル、ナーゲルスマンなど脈々と受け継がれていった。どうやらドイツでは指導者育成に舵を切ったタイミングがあり、それが徐々に功を奏したようだ。
なぜラングニックとグアルディオラは同じ考えになるのか。
『ボールが時間とスペースを支配する』
ボールを持つとボールを奪う、内容は変わるように考えるが、対人やボールホルダーに固執するのではなく、ボールを中心に考えることが同じということだろう。
ポジショニングも「君はウイングだからここね」と静的ポジショニングの考えではない。「ボールを中心として君はウイングだからここね」、平たく言えばこんな感じ。
本来はボールと味方、敵を見て適切なポジショニングをする。
ボールを奪うことに特化したドイツ式理論BoS理論
↑なんと著者の河岸さんから反応をいただきました。誠にありがとうございます。
また、新作も予定されているとの事で楽しみです。
ここでご紹介したいのは、その時間とスペースを支配するために奪うプランニングをする理論である『BoS理論』というものだ。
恐らく今RB大宮アルディージャファンが読むべき本の1つであることは間違いない。
レッドブルグループの話は載ってはいないが、本場のボール奪取理論を得るには適した本だ。
BoS(ボール オリエンテーション シュピール)=『ボールを中心に考える』理論。
ボール保持、非保持に関わらず、ゴールを奪うこと、またはゴールを守ることを前提として、ボールを中心にチームプレーやポジショニングなどを整理する理論で、シュツットガルトサッカー協会の教材だ。
例えばボール保持時の攻撃は『ゴールを奪うこと』、ボール非保持の攻撃は『ボールを奪うこと』と、このような感じだ。
またボールを奪うことが目的ではあるが、保持に移り変わった時、それはゴールを奪うことになる。いかにプレスをしてボールを奪取し、次の攻撃に移るかまで考えてチーム作りをしていく。
ボール保持時のプレーに関して
では、ボールの保持をしていた時にまず考えるのは『前方への意識』であり、ボール保持チーム全選手がゴールを奪うための意識をすることが重要と説く。
ボールを中心にポジショニングして、スペースを作り出す動きを考えていく。
また選手間は狭い間隔で動いていくことでボールロストをされず、しても囲い込めることから、なるべく選手間の距離を狭くさせる狙いがある。
そして選手を多く動かすことももちろん大切ではあるが、最も大切なのはボールを常に動かし続けることにある。パスだけでなくドリブルなども含めてボールを動かす。
パスを出した選手がパスアンドゴーで動きだし、連動したサッカーで前述通りなるべく前へ前へと動かす。
以前、インタビューにて浦上選手が言っていた「まずは裏を見ますね」の言葉は『まず考えるのは前方への意識』、これに近い内容でもあるだろう。
ボール非保持のプレーに関して
ボールを失った場合は即時奪還をまずは目指していく。
選手はコンパクトな陣形を保ちつつ、スペースをつぶし攻撃をさせないようにしていく。
重要項目は、「ゲーゲンプレス(即時奪還)」「オーデルン(秩序・陣形を整える)」
特にゲーゲンプレスは相手の攻撃を遅らせることも視野に入れ、阻止するための重要な手段の1つ。
しかしこのプレスは個人判断だけでは意味がなく、チームとしての連動性が重要である。
そして、プレスし奪い返し攻撃に繋げなければゲーゲンプレスというものとは遠いものとなる。
お手本の存在
実際に兄弟クラブのRBライプツィヒのアナリティクス動画がYouTubeに上がっているので是非ご覧になってほしい。
ボールを中心として取り囲み奪い切ると、狭いエリアで選手間で効率よくパスを回しゴールを奪う。
全選手、味方がボールを持った際にゴールへ向かう動きをしっかりと遂行しているのだ。
止める蹴るは功を奏すのか?
まだ個人的にはゴールに至っていないが、このコンパクトネスな状況において必要になるのが『止める蹴る』に繋がるのではないかと考察する。
恐らくただただ、技術力向上というところを求められてのことだとは思う。個人的な意見としてポゼッションという理論でこれをやっているわけではなさそうだ。
実際のところ『風間式止める蹴る』ではなく『鬼木式止める蹴る』の理論からなる、「近くと遠くの選択肢を持つ」という原則的な話がキーワードの1つにもなりそうだ。
鬼木式は近くでボールをつなぐだけではなく、遠くに選択肢を持つことが多かったし、それが1つの進化になったと聞く記事を見た。
終わりに
今回は最近再び読み返したBoS理論に関して簡単に触れた。内容としては中々専門用語があり難しい内容だが、触れるとなかなかに面白い内容で近代ドイツサッカーの仕組みが学べる良い本となっている。
ドイツはスポーツに関して仕組みづくりからなにまでトップクラスの環境で、研究も盛んだ。
そのような最先端な国から学びを得ることができるRB大宮アルディージャを見守ろうと思う。
開幕戦どのような結果であれどまずはワクワクさせてくれ、というのが私の心の声だ。J2は甘くないし昨年ベースの戦い方の継続では正直難しい。
しかし、そこは監督本人も理解しているコメントを残しているので、ただの1サポーターとしてはまずは信じて一緒に戦おうと思います。
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2月5日 16:00 〜 3月7日 16:00
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